元祖【ひとり公論】

誰かには必ず、ほんの少しだけでも役に立つに違いない、という意味での公論

岩崎輝明「食事道のすすめ」

岩崎輝明「食事道のすすめ」

食事道のすすめ

かつて京都大学の総長をされていた平澤興先生は、子供のころお母さんから人間の一生に食べる分量が決まっていて、食べすぎは早 く食い尽きて早死にを招くことから、腹八分にするようしつけられたと伺ったことがありま す。


第二次大戦終戦の折(略)軍医として戦地に赴き、栄養失調で弱った数千人の軍人を当時流行していたマラリア等から守り、無事に帰還させたのです。 沼田(勇)先生のとられた方法は食後三十分は湯茶を飲む ことを禁じたことです。こうすることで胃液を薄めることなく、マラリア等の菌が食べ物等と一緒に侵入しても、胃液の強 い酸で皆、死滅するという働きを生かし、兵士を無事全員、外地から引き揚げさせたのです。


精神的、肉体的、社会的に病んでいる現代は、七分づきや胚芽米、麦ご飯も姿を消し、大半の人々が白米食となっていて、今また、脚気が流行している と思えてなりません。(略)女性の色白は七難隠すと言われていますが、食べ物の色白、即ち白 米、白パン、白砂糖はビタミン、ミネラル等の欠乏から現代のように健康不安を招きやすく、七難つくると言われるので す。