元祖【ひとり公論】

誰かには必ず、ほんの少しだけでも役に立つに違いない、という意味での公論

[引用]致知2012年8月号

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(営業では)マインドを強くしなければなりません。マインドを強くするというのは、素のままの自分で勝負しないということです。
(略)
要するに、仮面をかぶるのです。素の私は口下手で人見知りで社交性がありません。だけどそんな営業マンと会っても、お客様はなんのメリットもないじゃないですか。「この人と話すと楽しい」とか「ためになる」と感じてもらえる自分にならないと。
(略)
よく「営業向き」とか「持って生まれた営業センス」とかいいますが、そんなものはないんですね。いま企業はダントツで「コミュニケーション能力のある人」を求めているといいます。ただ、学生時代に友達がたくさんいて「コミュニケーション能力がある」と自負していて、面接をした人事部も「トリプルA」として採用した人が営業ができるかというと、必ずしもそうではない。むしろ早々に辞めてしまう人が多いんです。
(略)
いろいろな人を見てきてわかったのは、人と仲良くなったり会話を楽しませたりすることと、お客様の心を購買へと動かすことは、違うコミュニケーション能力なのです。だから、自分は会話術に長けていると自信を持って営業に出た新人が、生まれて初めて厳しい拒絶をされて心が折れてしまうケースが多い。逆に少し口下手だったりコミュニケーション能力が高くない方でも、熱心に勉強されて生き残る人もたくさんいます。だから、どんな人であっても、職業人としての仮面をかぶれるまでに鍛えないといけないということです。
(略)
お客様の前で何気なくやっていい言動は一つもありません。むしろ、練習していない下手な説明を聞くのは、お客様も苦痛です。どんな職業も、素のままで結果を出せる仕事はないと思います。