時流独創角熟経営(2)
- 作者: 平岡和矩,芳村思風
- 出版社/メーカー: 創森出版
- 発売日: 1994/09/01
- メディア: 単行本
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機械というのはそうではない。機械は有機体ではないから、全体とのかかわり合いを意識することなく、部分の役割を果たしたら、自動的に繋がっていって結果に結びつくということで、部分部分の中には全体情報は入っていないんです。ここに機械的な労働と、有機性を持った人間的労働との違いがある。人間的な労働をさせようと思ったら、自分のやっていることは全体の中でどういう部分を占めて、何の役に立っているのか、という全体情報をちゃんと知った上でかかわる、ということが有機体として大事なことです。
(略)
生きているものは動いていますから、常に何かを調整しながら、全体としてのバランスを合目的的に目指している、というのが有機体です。だから、合理化の作業というのは尽きないんですよ。その合理化というのは作業というよりも、合理を目的とした作用なんですよ。(略)合理作用というのが常に組織の中で働いてなかったら、その組織は死んでしまうということです。時代が絶えず動いているんだから、常に自分が機能しようと思えば、合理的な精神で変化との調和を意識しつつ、時代に生きる人間として全体との調和統一を意識しながら、合理性を働かせていなかったら、死んでしまうというか、時代に取り残されてしまうんです。