元祖【ひとり公論】

誰かには必ず、ほんの少しだけでも役に立つに違いない、という意味での公論

致知(2010年1月号)

板橋(興宗、御誕生寺住職):
私の八十年の人生信條といえば、「傍目を気にして生きる」。(略)これでも私は毎朝四時に起きていますが、これが誰もいなかったら絶対起きない。今日は横内さんがきてくださるというから頭も剃って法衣も着ていますが、誰にも会うことがないとしたらいまだにステテコをはいて寝ていますよ。「傍目を気にして生きる」というのは、自分を大きく見せたいというさもしい根性ではなくて、自分自身をスキっとさせる力を出させてもらうことです。「いい人だな、かっこいいな」と思われるようにキリっと自分を律するということです。
横内(祐一郎、フジゲン会長):おっしゃるとおりですね。
板橋:
女性はいくつになってもパタパタ(お化粧を)しているでしょ。若い女性は別かもしれませんが、何もあれ、異性にモテたくてやってるんじゃないでしょう。チューリップがきれいな赤色になる。孔雀がきれいな羽を持っている。あれ、自分がやっているんじゃないですよ。天が生き物に与えた生命力です。だから人間が傍目を気にして、少しでもよりよい自分でいようと自己を律することは、生きる意欲を励ましていると思いますね。
横内:今のお話は深いですねぇ。(略)