元祖【ひとり公論】

誰かには必ず、ほんの少しだけでも役に立つに違いない、という意味での公論

心について(4)身体を作り変える

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タレントさんはデフォルトで容姿、外見が突出しているわけですから、彼らの人間関係における緊張感は、私たちの想像を絶するものがあると思われます。

 例えばお笑いの方とかで、外見が普通であっても(失礼)、彼らは「有名になる」というモチベーションをベースとした言動でもって、実際にお茶の間の有名人になり、「なんだあいつちやほやされやがって」と庶民の嫉妬心に火をつけ、結果、人間関係に極度の緊張感を発生させます。

 でも、彼らは望んでそうしているのです。

 やっかいなのは、きわめて強く望んでいるにもかかわらず、そのことに気付いていないことがあることです。例えば、有名になりたいからタレントになっているのにもかかわらず、一方では「そっとしておいてほしい」などと発言したりするわけです。本気でそっとしておいてほしいのであれば無名のままでいるべきなのですが、そうしないのは、自分の自尊心を満たすことが最優先課題であるからです。

 つまり、常に心が安定していない。彼らは有名になって心を安定させたかったのにもかかわらず、有名になって心が安定することは絶対にありませんし、無名に戻ったとしても無名のときに心を安定させる術を見つけられなかったのですから、結局同じです。彼らは高い確率で、一生涯「気づき」を得ることはありません。

 いずれにせよ、彼らは極限の人間関係を漂流してゆくのが仕事でもありますので、芸能人の不祥事とかよくゴシップになりますが、それは分かるような気もするのです。彼らの世界は、われわれとはちょっと違う。デオドラントを装ってはいますが、彼らはこれまでもこれからも、カタギではないのです。



 さて、何回も書いてきた「マッチョな男性/プロポーション抜群の女性」のたとえですが、加齢とともに外見勝負からうまく「い~ち抜~けた」するために、具体的にどうするか?

 前回は「内面からにじみ出てくる真の外見を、磨かなければなりません。」と書きました。

 まず、外見勝負とは別な方向性を見つけよう、と強く思うことです。つまり「変わろう」と思うこと。

 重要なのは、ゴールを最初は具体的にイメージしなくともよいのです。ゴールは最初はみえないのが当然。方向性は自然と定まってきますので安心していて構いません。

 まず走りだすこと。



 さて、具体的にどう走りだせばいいのか?

外見をキープするために、内側をケアする(という意識)
内側へのケアを意識しながら外見を改める

という表裏一体のアプローチが必要です。

 1.は、外見をキープするためにまず外面を気にする(のが当たり前でしょ)という一見正論と思える考え方から脱却するということです。外見をキープするためには、まず内側をケアすることが最優先であると信じること。

 結局、「内側をケアする」とは食生活とライフ・スタイルを改めること、および嗜好品を減らすことです。言葉で表すのはカンタンですが、私はこの連載においてほとんど具体的手法を示しておりません。なぜなら、ここで私が登場する隙はどこにもないからです。食生活とライフ・スタイルを改めるための手法は、もう出尽くしているといってよいでしょう。われわれは先達が示してくれた手法から、自分に合うものをセレクトするだけですので、非常に恵まれているといってよいでしょう。

 内側を集中的にケアしてゆくことで、ある程度外見もキープできるのですがその1つの例としては、以前書きましたがお肌にハリ・ツヤが出るとか顔色が良くなるとか、そういう方面も重要です。

 内側をケアするといってもなかなか、成果が目に見えないためにくじけそうになってしまうので、ほんの少しでも外見のほうに(良いほうに)変化があったか?を気にして、それを励みにしてゆく必要がありますね。



 2.「内側へのケアを意識しながら外見を改める」については、補足が必要かと思います。

 「内側」とは心身の「心」も含みます。

 始めから結論を先に書きますが、「外見を改める」とは

姿勢をよくする
笑顔(自然な)

 これだけです。(まずは)

 外見は、「良い姿勢&自然な笑顔」でカンタンに変えられます。男女ともかなりイケてきます。「マッチョ&プロポーション(デフォルト日焼け)」を信仰している方々は信じられないかもしれませんが、これだけで周りの評価が大きく変わってきます。

 確かに、専門的にトレーニングジム等で身体(外見)を「作り込む」のとはまったく違うアプローチですが……前者は天然せっけん、後者は合成洗剤という感じでしょうかね。



 「良い姿勢&自然な笑顔」というのも、書くのはカンタンですが継続するのはなかなか難しいものですね。ですが不思議なことに、これだけで「内側」すなわち、内臓もケアできますし、「心」も磨かれてくるので、相乗効果となります。

 「マッチョ&プロポーション」は、内臓には負担をかけるばかり。「心」については快を与えるかもしれませんが、これは幼児に甘いものばかりを与えるようなもので、栄養はありません。



 実は、1.「外見をキープするために内側をケアする」(食生活とライフ・スタイルを改めること、および嗜好品を減らすこと)をうまく実践すると、自然と姿勢もよくなり、笑顔になってきます。

 まとめると、1.を実践すると2.もいずれ実現される可能性が高まります。2.を実践すると1.と同様の効果が(ある程度)期待できます。

 1.2.ともに並行して進めるのが理想なのですが、結局どちらから始めてもよいです。なぜなら、どちらか片方から始めても、それが軌道にのれば自然と両輪で進んでいくからです。



 うまくゆけば、どんどんナチュラルな外見になってゆきます。ナチュラルな外見というのはわかりづらいかもしれませんが、人工的に作りあげた外見ではない、ということです。かつ、無頓着でもありません。例えば、人工芝の、手入れ不要の庭でもなく、草が伸びるにまかせて手入れをしていない庭でもなく、うまく手入れがされ、自然とも調和がとれている庭のことです。

 ナチュラルな外見の方は人工的につくりあげた外見の方よりも魅力的です。と私は強く思いますし、そう思わない方もいるでしょうが、ビジネス・シーンでは前者が魅力的ということで間違いはないです。

 と、いうことは、ビジネスマンでジムで身体を「作り込んで」いる人は間違っているということになります。(ただし、ジムで身体を「メンテナンス」しているのであればOKです。このへんの違いが微妙なところではありますが……)



 例えば、「人工的」からナチュラルな外見にシフトしてきた方がいたとして、どこかで、あ、今の自分の方がいい!(今まではムリしてた……) と思う瞬間がきます。その瞬間に到達するまで自信が持てなくてけっこうタイヘンなのですが(そして多くの方が挫折します…)、そこを通過しさえすれば、自分に対する自信が急上昇で上がってゆきますし、「心」も安定します。

 外見を人工的にキープすることにより「心」を安定させ続けるのと、ナチュラルな外見にシフトして自然と「心」が安定してくるのとでは、「心」の安定度も、メンテナンスのし易さも、かかるお金も、すべてにおいて段違いに後者がおすすめです。

 ですので、ちょっと時間がかかるかもしれませんが、頑張っていただきたいと思います。