元祖【ひとり公論】

誰かには必ず、ほんの少しだけでも役に立つに違いない、という意味での公論

突然原爆のハナシ(夕凪の街 桜の国について)

突然原爆のハナシ(夕凪の街 桜の国について)

2007年の日記で「夕凪の街  桜の国」についてコメントしています。

このとき、「再読したくてうずうずしている」みたいなことを書いたのですが、未だ再読していません。
なぜだろう。。正直、わからないのですが。
男なのに「号泣」するのがコワいのか? そういう理由ではなくただ、読むのがコワいのか?
(それとも、時間がないのか、あるいは時間がないという言い訳をしたいのか)

この漫画は再読していないのですが、イトイ新聞の、2005年の終戦記念日に糸井重里主筆が残した名文は、何回も読み返しています。

糸井さんは、立場もあるので意図的に「奥歯に何かはさんだような物言い」をしているのでしょうが、つまりは、原爆というものを美化してはいけな い、アメリカは日本に対して、落としてはいけない殺戮兵器を投下したのだ、という事実に、戦後60年「も」たってあらためて目を向けるべきだ、と いうことを言いたいのだと思います。

。。いや、それでは主筆の糸井さんになすりつけるような感じだな。。僕は、そう思ったということです。アメリカの「日本を自由にしてくれた」幻想 をそろそろふりはらってもいい頃だ、と。原爆を落として、占領して、民主主義化して日本人を喜ばすというのは単なるマッチポンプにすぎないので す。

アメリカは日本が、怖かったのです。「イエロージャップ」の、西欧人とは異質の、神仏をバックボーンに持つ農耕民族としての潜在能力が怖かったの です。怖くて仕方がないから、絨毯爆撃をして民間人を焼き払い、原爆を2回も落としてとどめをさしたのです。
我々は、とどめをさされてさらに占領までされ、アメリカ風民主主義を洗脳され、憲法まで勝手につくられて、給食を押し付けられ、「学校給食」とい う美辞麗句のウラでアメリカの小麦をムリやり輸入させられ、欧米の食生活に強制的にアジャストさせられ。。

まんまと植民地化してしまったのです。この事実から目を背けてはなりません。

はっきりいいますが、核兵器を2発落とされたら誰だって(どの国だって)言うことききます。鶴見俊輔さんの発言によれば、「機動隊に棍棒でアタマ 殴られれば誰だって言うこと聞く」ということなのです。
でも、人道的にどうなのか? そういうのがまかり通る時代というのは、最低ではないのか?

まともな神経で、考えなければならないのです。


。。僕はこの文章を書いていて、戦中戦後を過ごした日本人の皆さん(僕の祖父祖母を含め)の苦労を想像して涙を流してしまいそうなぐらいです。
それが自然な日本人の感情だと思います。

なんで、ここまでアメリカに精神的に占領、洗脳されたままなのだろうか?
なんで、逆洗脳してやれ、ぐらいに思わないのだろう?


ところで。。この、2004年に発表された「夕凪の街 桜の国」はおそらくホントに問題作であり、(小林よしのりさんの「戦争論」とともに)じわ じわと日本人に効いてきています。という意味ではものすごく影響力を持った作品だと思います。