元祖【ひとり公論】

誰かには必ず、ほんの少しだけでも役に立つに違いない、という意味での公論

本当の健康法とは(5) 誠実さ

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 良くも悪くも、業界経験が長くなってくれば、事実として、他業界では通用しない人材になっていきます(特に、エンジニア職)。

 担当業務が専門的になればなるほど、自分が絶たなくとも、退路は徐々に絶たれていきます。



 まずはそれを自覚する(認める)必要があります。それを認めたくなくてあがいている人たちとの差別化が必要なのです。

 それを自覚できれば自然と、何歳であっても、仕事の生産性は上がっていくことでしょう。だって、もう退路は絶たれているわけですから、最後の砦のこの業界で、リストラされるわけにはいかないのです。

 まぁ実際、リストラされたとしても、同じ業界内で転職したり、個人事業主になったり、会社を興して社長になったりと、策はないわけではありませんが、仕事の生産性が上がっていく可能性がない人材を、別な会社が採用するとは思えません。

 そして、フリーや起業はもっと厳しいです。



 言い方を変えれば、(これが僕がIT業界に希望を持っている理由ですが)システム・エンジニアは何歳になっても生産性を上げられるということです。

 他の職種、他の業界であれば、例えば実力がなくとも上司にこびへつらって出世していくという手法が残されているのかもしれませんが、われわれはそれは大の苦手であるはずです。

 われわれは幸いなことに、100%ではありませんが、自身の生産性を上げれば仕事にありつくことが可能な業界にいます。今の仕事、今のプロジェクトで成果を上げれば、次はあります。とにかく、今が大事です。

 「他の業界では通用しない」というのは、必ずしも、悪いことではないのです。たとえIT以外で通用しないのだとしても、不器用であっても、愚直であれば何とかなります。ただし、性格が悪い(と周りに思われている)のはダメですけど……。

 何歳になっても、若い人たちと同じように生産性を上げていくためには、「素直」である必要があります。

 歳を重ねても、スれることなく、「素直さ」で周りと差別化していきましょう! 特に、最近の若い人たちは、若さとは「素直さ」が最大の武器であるにもかかわらず、最初からスれてる人が多いようなので……。

 若い人たちから「素直さ」が消えつつあるということが、逆にわれわれにとっては大チャンスなのです。



 とにかく、謙虚な気持ちを忘れないことですね。多くの人たちが、エンジニアとしてのプライドにしがみついて謙虚な気持ち、そしてIT業界への感謝を忘れています。

 「正直、自分はこの業界だから、かろうじて拾ってもらっているのではないだろうか」「他の業界だったら、自分はまったくイケてなかったのではなかろうか」という気持ちを忘れないことです。

 そもそものところで、「IT業界」という業界が数十年前(?)に勃興し、現在も世界的に発展しているという事実、ドッグイヤーで進化し続けているという事実に、まず感謝を捧げましょう。そして、あくまでこの業界内での「下克上」をねらっていくのです。

 いくつになっても、ゲーム感覚で。



 「素直さ」で思い出しましたが…… 少し脱線するかもしれませんが、差別化のために必要なのは「挨拶」です。今日から、まさに今から、少しずつ挨拶習慣を固めていきましょう。

 私が申し上げている「挨拶」というのはその行為自体もそうですが、いってみれば「誠実さの発現」ということです。IT業界にいるほとんどの人は誠実に仕事ができる人たちなのですから、それを「挨拶」という行為を通して周りに発現させていくこと。

 別に照れなくともよいのです。「素直」に外に向けて出せばいいのです。



 それはいってみれば自己PRの一環ですが、周りに対して(半ば戦略的に)良い自分を見せていくのは、IT業界で生き残っていくうえでゼッタイに必要なことです。無骨で無口な職人を気取っていても、評価はされない時代ですから。

 自身の生産性を上げるためには、周りにサポートしてもらうことがゼッタイ条件です。われわれはもはや、独りではどのような仕事も完結させることができないのですから。アイツと一緒に仕事したい、と汎用的に思われるようにならなければ、何も始まりません。

 そのために、「挨拶」はあります。

 IT業界に限らず、ほとんどの人たちは誠実な人と仕事をしたいと思っているものです。ですから、嫌味になることなく自分が「誠実」であることをアピールしてゆきましょう。

 「挨拶」というアピール手法は、ちょっと回り道をしているように思えたりするのですが(直接的な、スキルレベルのアピールなどと比べて)、実は非常に効果的です。

 「誠実」により、ほとんどの人たちを味方に付けられます。今から改心して誠実になりなさい、といっているのではありません。IT業界のほとんどの人たちは根っこが誠実なのですから、それを周りにシェアしましょうよ、ということです。