元祖【ひとり公論】

誰かには必ず、ほんの少しだけでも役に立つに違いない、という意味での公論

本当の健康法とは(13) ストレス(との向き合い方)その2

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スキルアップへの超近道

 「面倒くさそうな仕事は受ける」というスタンスが、未来のあなたを救うのでしょう。なぜなら面倒くさそうな仕事をこなすことによりスキルが上がるからです。

 言い方を変えれば、面倒くさくない仕事をこなしていてもスキルは上がりません。良くて現状維持ですが、普通スキルは「後退」します。なぜなら、世の中はこの瞬間にも進歩しているからです。進歩している世の中に対して少しずつスキルを上げながらついていくのが「現状維持」ですので。

 面倒くさそうな仕事は、淡々と受けるだけでなく、淡々とこなすのがベストです。淡々とこなすことでスキルが上がってゆきます。それが、いわゆる「修練」と呼ばれるものです。

 あるいは「覚悟」がスキルを上げるのかもしれませんね。 どんな小さな仕事でも、引き受けるときはプチ覚悟が必要なのでしょう。覚悟を持つということは責任を持つということです。

 「淡々とこなす」方法とは、具体的には、受けた仕事については愚痴るのはやめることです。それだけでOKです。愚痴りながら仕事をしたところで、周りのあなたに対する評価も下がりますし、組織の士気も少し下がりますし、自身の主体性も喪失していきますし、いいことは何もありません。

 キツくない仕事をやっている分には、ふつう愚痴は出ませんよね。キツくともキツくなくとも、とにかく淡々と仕事を進めるということです。





 キツくない仕事をやっているときですら、たとえば「仕事が単調でつまらない」とか愚痴が出てくるようですと、これは「重症」かもしれませんね……。とにかく仕事自体がキライということですよね。それはそれは、出勤するだけでストレスでしょうねぇ……。

 このような状態は、「仕事のせいで不健康になっている」ということですので、よろしくありません。そして、IT業界はこのような方が多いようです。この連載では、仕事をすればするほど健康になっていく、というのを理想に掲げてはいますが、まずは仕事でのストレスを軽減させて、仕事をすればするほど不健康になるスパイラルから脱することが先決ですね。

 ちょっとだけ強い意志を持てば、変わっていくことはできます。まずは、愚痴るのをやめてみるだけですので。

 「愚痴れないとストレスがたまるばかりじゃないか!ただでさえ面倒くさい仕事を抱えているのに……」と思われる方、いらっしゃるかもしれませんが、それはちょっと……。ドラスティックに、考え方を変えたほうがいいのでしょうね。

 現代社会では、スポーツで発散するなどストレス解消法はたくさんあるはずです。もっともポピュラーなのは、趣味を持つことですよね。

 仕事そのものが楽しい、とまではいかなくとも、仕事をこなす過程でストレスが蓄積されてゆかないのがベストですが(仕事の時間帯の中で、ガス抜きをする手段を考え、プライベートに引きずらないようにしましょう)、それが難しいようであれば、プライベートの時間(趣味を行う時間)を日々楽しみに、仕事をしていればよいと思います。

 皆さん、うっすら知っているのでしょうが、愚痴を撒き散らすことでストレスが解消されることはありません。まずその事実に正面から向き合うことでしょうね。「ちょっとだけ強い意志を持つ」とはそういうことです。



◆仕事は、増えるもの。

 「ただでさえ仕事が多いのに、面倒くさそうな仕事まで受けていたら、ますます仕事が増えちゃうじゃん!」と、考えますよね。

 それは正しい。

 そう、仕事は増えるのです!実は(ザンネン……)!

 ただし、仕事は増えますがアサインされる仕事の質が上がっていくのです。なぜなら、面倒くさそうな仕事をこなすほどに生産性が上がっていくから。その生産性にふさわしい仕事が、やってきます。

 未来のあなたは、今のレベルの仕事は、鼻歌まじりでヨユウでこなせます。が、残念ながら(?)未来のあなたにはヨユウの仕事はきません。未来のあなたの生産性、UPしたスキルにふさわしい仕事がきます。それは、素晴らしいことです。

 以前書いたように、もともとだらだら残業しているのですから仕事が増えても「労働時間」という点ではそれほど変わりませんので。微増ぐらいです。生産性が上がるのと、仕事のレベル(難易度)が上がるのとで、おおよそとんとんです。

 そして不思議なことに、たくさん働いている割にはストレスが減っていくのです。なぜなら、仕事に納得感・達成感があるからです。そして、生産性が上がるにつれ自分の仕事の「こなし方」にも満足感が出てきます。

 ストレスも減るし、スキルも上がるし、さらに、周りや現場からの信頼も得られるし……。悪いことは何もありません。 

 早く帰れるようになる!ことは、ないかもしれないけれど……。まぁ、いいじゃありませんか現状維持で。



◆未来を変える(まとめ)。

 未来も同じレベルの仕事をしていたいか?という問いを、自分に発することが大事なのだと思います。

 IT業界に棲息する人間の「性」として、われわれは、もっとレベルの高い仕事を欲しているはずです。そもそも未来はより複雑化しているはずなので、その状況に見合った仕事をせざるを得ないでしょう。システムエンジニアリングは10年前と比べてカンタンになったでしょうか?私はそうは思えません。これだけ、システムエンジニアリングをシンプルにしよう、システム運用を効率化しよう、という動き(流れ)があるにもかかわらず、です。

 未来に、もっとレベルの高い仕事をしているためには、常に上昇志向でいるほかないのです(上昇志向とは、役職を上がっていくことを目指すことではありません)。

 われわれは、自分のレベルが上がっている、という実感があるのであれば、キツい仕事も耐えられますし、自分のレベルが知らぬ間に上がっているような仕事を欲しています。そしてわれわれは、同じ仕事の繰り返しは実はキライです。飽きっぽいのです。

 ストレスの軽減(ゼロになることはありえません)および「仕事により健康になる」カギはこの「上昇志向」にあります。未来に自分のやりたい仕事をやっているためには、今キツい仕事をするしかないのです。

 上昇志向をおおっぴらにするのはけっこう恥ずかしいので、内に秘めていればOKです。

 もし、未来も今のレベルの仕事を欲するのであれば、そこにはストレスと不健康もセットでついてくることでしょう。不思議ですよね。未来も今のレベルの仕事をしているのであれば仕事はラクになっているはずなのに。

 われわれは、現状維持志向では健康になれないのです。言い方を変えると、強い現状維持志向を持っている方は業界から離れたほうがよいかもしれませんね。あるいは、完全に管理職に上がるか。そうでないと、いつまでも強いストレスを抱え続けることになります。