元祖【ひとり公論】

誰かには必ず、ほんの少しだけでも役に立つに違いない、という意味での公論

永守重信(日本電産社長)『致知』1999年7月号

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「能力の差は五倍、意識の差は百倍」永守重信日本電産社長)
―『致知』1999年7月号特集「切に思うことは必ずとぐるなり」より

朝早いですからラッシュアワーにかからないので六時五十五分には会社に着きます。
もう二十分遅いと会社まで四、五十分かかりますよ。
世の中、何故ラッシュアワーが起こるかというと、九割の人が普通のことをしているからです。
わずか十分か十五分普通より早く行動することで、全然違う世界があるんです。
ところが人間ほとんどが一緒のことをするんですね。
だからうちの社員にはよそよりも十分早く来いと言います。
その十分を早く来られる人間は世の中の十パーセントなんですね。
それが意識の差なんです。

人より一歩だけ進歩しなさいと言います。
一歩だけで全然違う世界を経験できる。
性能でも、ベストを追求してはいかんと言うんです。
ベストを追求すると、ものすごいコストと時間がかかります。
ちょっとでいいんです。
競争相手よりちょっとだけ早い、ちょっとだけいい、ちょっとだけ安い、それで十分だと。
それで世界一になれる。
ちょっと一歩。
だから十分早くする。
それでいいんですよ。
それを三十分も一時間も早くしようと思うから続かないんです。

成功の秘訣なんてないんです。
だれでも出来るほんの一歩。
しかしだれでも出来るけれど、九割の人がやっていない。
一割しかやっていないんです。