元祖【ひとり公論】

誰かには必ず、ほんの少しだけでも役に立つに違いない、という意味での公論

高層ビル(20060904)

高層ビル

ここ7〜8年で、40〜50階建て前後の高層ビルが相当数増えてきており、今も増殖中です。また、高層ビル「群」についても、西新宿の専売特許ではなくなり、汐留や品川は街並みが根底から変わり、近未来都市の様相を呈しています。

思い返せば、西新宿の高層ビルがほぼ出揃ってから、港区周辺で高層ビルの建設ラッシュが始まるまで、相当なタイムラグがありました。なぜ、10〜20年もの間、高層ビルの建築は据え置かれたのでしょうか。何かの規
制が緩和されたのだと思いますが、詳しいことはわかりません。

一昔前、自分の行動範囲の中では、港区内で目立っていたビルといえば、NECの本社ビルが突出していました。それに次いで、日本たばこビル、霞ヶ関ビルアークヒルズ、三田国際ビル(26F)などが「高層ビル」と
して認知されており、30階前後のビルでも「大きいな〜」と思っていたものです。

そこからのブレイクスルー、というか、黎明期にある日突然建てられた(という印象がある)のは、赤羽橋の芝公園ファーストビルでした。「いきなりでかいビルが出来たな」と思ったのをおぼえています。今は全く地味な
存在になってしまいましたが。。そこから、いろんなところに「にょきにょきと」出来てきましたね。

山王パークタワーができるときは、「警備上、首相官邸側を見下ろせてしまってよいのか」という議論があったと記憶しています。

高層ビルにより都心部の景観はがらりと変わりましたが、いちばんきれいなビルは、愛宕ヒルズだと思います。また、個性的という点では泉ガーデンが群を抜いていますね。これらは、けっこう黎明期に建てられたビルであ
ると記憶しています。最近の高層ビルは、それほど個性は感じられません。

そういえば、今は、天井が高くなったのかわかりませんが、階数が少なくとも、昔のビルなどよりも高くなっていますね。たとえばサンシャイン60は60階建てですが、六本木ヒルズ(54階?)と同じぐらいの高さで
す。高層ビルの1フロアごとの高さというのは、建築上自由なのでしょうか。

なぜ高層ビルがこれほど増えたのか、というのは、政治的な理由はあるのかもしれませんが、ただ単に、「高層ビル屋」(こんな商売があるのかわかりませんが)が、常に建てたくてうずうずしているからだと思います。先端の技術を持っている企業、個人の「建てたい」という欲望が、既存の町並みを残したい、という大部分の庶民のささやかな願いを凌駕してしまっているという状況なのでしょう。