良いこともあれば悪いこともあるか
これは僕の中では「クラシックス」です。僭越ながら初期の名文と考えています。(僕の文章レベルで、ということです)
「良いこともあれば悪いこともあるか」2006-10-10
最近思うのは、「一生懸命」「精一杯」頑張る人間は、「報われる」というよりは、「バランスを与えられる」のだと思います。つまり、「人生良いこともあれば悪いこともある」という意味でのバランスです。
悪いことの後に良い出来事が起こる、というのは、「一生懸命」「精一杯」頑張る人にだけ与えられる特権ではないかということです。そうあってほしいと思います。ぐうたらのんべんだらりと生きている人には、悪いことが起きてほしいとは思いませんが、素晴らしい良い出来事が起きてほしいとも思いません。
頑張っていない人は、「悪いこと」のあとには「ふつうのこと」がある、ということです。悪い<->ふつう の間でしか人生が振れないわけです。頑張っている人は振れ幅が大きくあってほしいと思います。
小さい子供というのは常に、無意識で一生懸命生きているものです。ですので最初から「バランス」を与えられているのだと思います。
ところが、最近の子供たちは、早いうちから一生懸命さをなくしてしまう場合が多く、頑張らずに「良いこと」ばかりを求めるようになり、「何で自分ばかりが幸せでないのか」という感じで心がゆがんできます。
子供は、自分が一生懸命さをなくしてしまっていることを意識的に気付くことはできません。
幸せではないかもしれないが、一生懸命でなくとも生き延びさせてくれる社会に暮らしている、という意味では少なくとも悪い人生ではありません。
バランスがとれているがゆえに、極端に悪いほうに振れたときに、不慮の事故で亡くなってしまったり、「バランス」では取り返しのつかないぐらいの痛手を負ったりします。
それを見たり聞いたりするのはとても痛ましいことです。