元祖【ひとり公論】

誰かには必ず、ほんの少しだけでも役に立つに違いない、という意味での公論

料理とプロマネ

料理とプロマネ

年末年始休暇は、料理をやってたんだよ。
趣味で始めようっていうんじゃないんだよ。奥さんがぶっ倒れてたまに起きてこなくなるからさ、そういうときにいつも外食してたんだけど、カネももったいないしコドモの健康上もよくないかな、と思って。
そういうときにさくさく作れる軽食をマスターしとかないといけない、と思ってね。

だから、全くもって趣味じゃない。生活で必要な技能だ。別に料理やってて楽しいわけでもない。


で、思ったんだけどさ、プロジェクトマネージメントをしっかりできるヒトは、料理の段取りはうまくやれると思うね。

料理のキモは、やっていてわかった。それは4つあってさ、まず、キッチンを整頓しておくこと。次に、(料理を食べる)テーブルの準備をしておくこと。クロスとかマットとかね、はしとかスプーンとか、ドリンクを準備しておく、というのもあるし。

これらは、プロジェクトにおいては「埋もれやすいタスク」に他ならない。
これを掘り起こして適切にアサインするのも大事な仕事だ。(料理は、実際独りでやるけれども。。)

3つ目は、効率のよい工程を考えておくこと。もちろん、調理の途中でも常に「スケジュール変更」があると考えておく。とにかく、空きが発生しないように。鍋が沸騰するまで数分空くんだったらその間は何かを切っておこう、とかね。

こういうのはプロマネの基本中の基本だし、どの仕事でも同じだよね。

4つ目は、片づけをカンペキにすること。
これが、最初の「キッチンを整頓しておく」につながって、サイクルになってゆくわけね。

システム設計構築プロジェクトは、キレイに終わらして運用に引き継ぐのが大事な仕事でしょ。
それと同じ。


見方を変えればさ、料理をいきあたりばったりでやってるヤツは、プロマネは向いてない。
調理することばかりをクリエイティブと考えて、自己チューで料理ばっか作って、オマエは皿を出しとけ、オマエは後で皿洗えよ、とか、そういうヤツって、プロマネとして、というより社会人としてどうだよ、ってハナシでしょ。

でも、そういうヤツはエンジニアとしては向いてたりして。。
エンジニアは自己チューだからな。顧客が望むシステムよりも自己満足のシステムをつくりたいもんだ。


もうひとつの考え方は、「プロマネをできるヒトは料理もうまくできる」の逆でさ、料理を、準備から片づけまですべて「工程」と考えて、スムーズに、流れるようにやれるヒトはゼッタイプロマネできる。そして、ビジネス・シーンでもうまく立ち回ってゆける。

そういう意味での「料理の達人」がいたら、ぜひビジネス・シーンに参入してほしい。

料理上手とは、料理というプロジェクトにおける「調理」部分だけが大事じゃないんだ、それ以外こそ大事なんだ、ということを身をもって知っているヒトだ。
いっそのこと、はためにはもっとも大事だと思われている「調理」部分こそ外注してよい。なぜなら、それをやりたいヤツはいっぱいいるから。

「やりたい」と手を挙げるヤツが多いということは良質な技術を安くゲットできるってことだよ。ちょっとハナシが料理からは離れてしまったけれども。。