元祖【ひとり公論】

誰かには必ず、ほんの少しだけでも役に立つに違いない、という意味での公論

「下層」について2

ミチクサ(散歩、都市論etc)

  • 「下層」について2

学生とオトナがシームレスになってしまっているひとつの要因として、「稼げるバイト」を求めていた学生が、卒業してもそのまま「稼げる仕事」を求め続けている、というのがあるかもしれません。

学生は、たとえ学生時代に「ガテン系」をやっていて儲けていたとしても、卒業後は、仮に手取りが落ちるのだとしても「卒業」してホワイト・カラーに移行してゆくのが典型でした。

それはなぜかといえば、かつての大学生は、ブルーワーカーに対する明確な差別意識があったからです。
でもそれは今は、少なくなってきている。ブルーワーカーを「技術者」のひとつのカテゴリであると思い込んでしまう傾向がありますね。
それは、企業側の必死のリクルーティングが奏功しているのかもしれませんが、果たしてそれでいいのかどうか。。

これは、時代の流れなのでしょうね。高校を卒業して40、50%の人間が「大学」に進む時代。。
かつてブルーワーカー予備軍であった層の人間も大学に進むのですから。

私は「カネさえあればそれでいい」という考えですので、大学を卒業してもカネを基準に仕事を選ぶという考え方を否定はしません。
そして、働くことは「カネじゃないんだ」という考え方も否定はしません。人それぞれです。

人それぞれなのですから、たとえば著名な大学を出ているのになぜ(こんなところへ就職を?)みたいな考え方は、一切やめたほうがいいと思います。

そのヒトが「時代」に流されていなければそれでいいのです。それでいいのですが。。
流されているヒトは多すぎますね。


ところで私は、「現場に出る」といった感じの仕事は、すべて「下層」だと考えています。「技術者」や「職人」もそうです。
ここでの「下層」とは、つまりはホワイトカラーに対する位置づけをあらわす自虐的なコトバです。(私自身もそうですし)そして、昨日も書きましたが「下層」であるか否かというのは、収入基準ではありません。
男性であれば、ネクタイ仕事か否か、もあまり関係ありません。ブルーワーカーであることを隠蔽するためにスーツ、ネクタイを強要する職場は多々あります。
もちろんその逆もあります。ホワイトカラーであってもラフなスタイルで仕事しているヒトが増えていますし。

そういえば、年収300万前後で生活しているヒトを世の中が「下層」と位置づけて注目しているのを、私は最初、冗談かと思っていましたが、どうやらホンキでした。


下層だろうが何だろうが、ネクタイをしていようがしていまいが、「カネさえあればそれでいい」のです。デタラメでもなんでもいいのです。(byガストロンジャー)

そして。。私がもっとも強調したいのは、下層だろうが何だろうが「教養」さえあればそれでいいのだ、ということです。
教養には学歴はほぼ、関係ありません。

「教養」を身につけるためにおカネが必要になるのです。


下層「以外」はイコールホワイトカラーといってよいと思うのですが、なんだか未だに、ホワイトカラーのほうが教養がある、などという誤解がありませんか?
職業はホワイトカラー、の中で教養がそれなりにある人間とない人間の比、そしてブルーワーカーで教養がある人間とない人間の比は、拮抗しています。

だから、だまされてはなりません。
かつてホワイトカラー予備軍であった大学生の、教養面でもあの没落傾向をみれば、それの延長線上にある、現代のホワイトカラーの質などたかがしれています。

だから、ホワイトカラーもブルーワーカーも、結局同じ穴のムジナ、単なる職種の違いに過ぎないのです。

これも平等主義のなせる業。。 ブルーワーカーの学歴上昇によるものです。


言い方を変えれば、「下層」だからといって教養がないものとナメてかかられては困りますよ、ということです。
これほどまでにホワイトカラーが「インテリジェンス・ハザード」しているのですから。。