元祖【ひとり公論】

誰かには必ず、ほんの少しだけでも役に立つに違いない、という意味での公論

スキルが高い人間が人格者ではなかった。

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今だから負け惜しみですが、スキルがないという自覚があったにせよ、本気でスキルをつけるつもりがあればやったと思います。
実際勉強はキライではなかったですし。資格はふつーに持ってるんですけどね。

なんでそれをやらなかったかというと、その時期に私の周りで「スキル」一本でブイブイいわせていた方々で、人間的に尊敬できる人が皆無だったからです。
そして、繰り返しますが、世の中すべてがそうだったと言いたいわけではなくて、その時期の私の周りが、そうだったということです。

超絶スキルを持っていてかつ人間的に尊敬できる方が近くにいたら、私の人生も変わったでしょうし、そういう方を私が見つけられなかったことはもしかしたら「不幸」だったのかもしれません。

さて、それで私は「主体性」に活路を見出したわけです。

主体性とは……私なりに解釈すると「しゃしゃり出る」ということでしょうか。

基本中の基本は、誰もボールを拾わなそうなタスクを逐次「僕がやります」と拾ってゆく。私にとって大変幸運だったのは、そういう誰も拾わないタスクってそんなに「スキル」はいらないんですよね(笑)。ただ「めんどくせー」だけ、とか。
ただし、そこで必ずしもスキルが停滞してるわけでもなく、「めんどくせー」タスクを拾いまくっていくと、らせん的にスキルは上がっていくものです。この感覚を経験していない人は不幸です。

ただし!らせん的にはスキルは上がっていきますが(おそらく、一生涯かかって)、その手法では「それなり」にしかなりません。本当に通用する(高給をとれる)スキルを身につけるには、机上の勉強+修羅場経験 が必須になってきます。


もうひとつのアプローチは、失敗をおそれず「出ていく」というか…… たとえば定例会では積極的に発言していって「この分野ではアイツに聞いとこう」という分野をつくる。
そして、たとえばステークホルダーが病欠、とかいうときにファシリテーターを「乗っ取って」いくわけです。
これも、大変幸運なことに、スキルはあんまりいらないんですね。専門分野の知識ではなくて、つまり、調整能力に類似したものです。

言い方を変えると、前述したスキル一本の方で主体性を発揮していた人はゼロでした。そういう人たちはすべて受動的な姿勢でしたし、自分の守備範囲以外のボールに飛びつくことも皆無でしたし、マネージメントや顧客に対して文句ばっかりいってました。(しつこいですが、私の周りにいた方限定です)


ここだけの話ですが(笑)、私なんぞ三次請け四次請けがざらでしたので、商流的に打合せを「乗っ取る」なんて通常はありえないことです。でも、プロジェクトを推進していく上では、やれる人がやれることを拾っていくのが大事であって、誰がプライムベンダだから、誰がパートナーだから、とか関係ないんです。というかそんなのガン無視していいんですよ。もっとはっきりいえば実力順で仕事していけばいいんです。
そんなことを意識してなくともプロジェクトがくすぶり始めたら商流関係なく、「デキる」人に仕事が集中していくようになります。やる気のない、仕事できないプロマネとか誰も話を通さなくなります。


もちろん、失敗はしますし、商流を無視してしゃしゃり出ていくと陰でグチグチ言う人間は必ずいます(だからIT業界はキライ)。でも、わかってくれる人は必ずいます(100%)。
なぜならそれは、積極的な失敗だからです。

特に、上位レイヤにいる人にはわかってもらえます。かばってもらえます。若いうちに「しゃしゃり出」てくる小僧を彼らは待ち望んでいるのです。最初は生意気でもいいのです。
そういう人材はIT業界にはホント、少ないので、貴重すぎるほど貴重なんです。

私も手前味噌ながらけっこういろんな方にかわいがってもらいました。生意気な割には、前述したとおり格好は地味で(同化しようとしている)めんどくさそうでなく、それと、そもそも勤怠も悪くなかったですし、ふつーに敬語を使えていたからだと思います。