落ち着いた給仕
年寄りの給仕を雇える余裕、なんだよなあ、必要なのは。
たとえば新鮮な材料、と同じぐらいベテランの給仕を最低限必要なものと判断できるか。
フロアはすぐバイトにして、人件費安くしたがるけどさ、フロアのバイトって客と直接接するわけだからね、そこの品質が低いと、「ガラスが少しずつ曇っていく」わけだよ。そのうち取り返しがつかなくなる。バイトを変えたって一回たった風評は払拭することができないんだ。
だからやっぱりベテランの給仕をスカウトしたいよね。その世界のヘッドハンティングとか盛んになってほしい。料理人じゃないよ。
給仕という立場の人がさ、プライドを持って働けるような飲食業界になってほしい。そうすりゃ業界自体も変われる。給仕は確かに立ち仕事で大変だけどさ、一生できるもん。年を取るとともに成長があるし、人間性が仕事に反映されるし。
でも、給仕という立場の人も変わらんとダメだよ。だってさ、融通きかねんだもん年寄りは。
そもそもサービスの業界なのにサービス精神がないヤツも多いしな。
スゴい人とそうでない人との差がハゲしすぎんだよな。
たとえば、客のほとんどがすでに年下なわけで、バカな若造からクレーム入れられたり、まれに罵倒されたりするわけだ。それでもプライドを保ち続けられるか、といったら難しいのかもしれない。
でも、やっぱり、その店の運命を左右する、やりがいのある職業であるとは思うな。