元祖【ひとり公論】

誰かには必ず、ほんの少しだけでも役に立つに違いない、という意味での公論

本当の健康法とは(4) ニュートラル2

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 ただでさえ不健康を助長する職場環境ですから、前回書きました「負の連鎖」(不健康が仕事に悪影響を与える←→仕事の調子が悪くて不健康に陥る)を断ち切るために、いろいろやらなければいけないことがあります。

 最も大事なのは、マインドです。すなわち、周りと自分とを「差別化」すること。

 これを、周囲との摩擦がおきないよう、ひそかに進めることです。

 IT業界に限ったことではありませんが、日本の組織体質は同調圧力が強いので、表面上は同調し続けたほうが無難です。出ようとする杭は打たれますからね……。



 差別化のためのアクションで特に大事なのは、周りの言動に引きずられないことです。IT業界はやたらめったらネガティブな言葉を吐く方が非常に多いので、即断ち切りましょう(今後一切、マネをしないこと)。

 PCに向かって、メーラーとにらめっこしながらネガティブな言葉を吐き続ける(「意味分かんねーよこいつ」など)のは即、やめましょう。運がだだ漏れです。もったいないです(それと、舌打ちもやめること)。

 ネガティブな言葉をやめるとはつまり、「まず否定にかかる」をやめることです。すべてを肯定せよとはいっていません。他人の言葉を「まず受けとめる」のが「器」です。

 相手の言葉を受けとめるのも、肯定するのも「負け」ではありません。それにより我々のプライド(のようなもの)に傷がつくものでもありません。



 ベンダやお客さんに対する文句、陰口もぐっとこらえること。陰口は伝染するものであり、残念なことに、IT業界内ではほぼ完全に、誰もが伝染しています。我々はそれを認識し、自ら主体的に自身を「治療」する必要があります。

 また、他人のネガティブな言動に対し同意を求められたら(例:あのベンダ、仕事の品質悪いよな~?とか)、面と向かって否定することなく、うま~くかわしましょう。「そんなことはないと思います」ともいわず、「そうですかね~」ぐらいに。

 ただし「そのとおりですね!ダメですね」と追随するのは否定よりもいけません。

 はぐらかすことで、今後同意を求められないようにすることが肝要です。否定すれば論戦を仕掛けられてしまうかもしれませんし(ムダに疲れます)、肯定すれば相手はつけ上がって仲間だと思われてしまいます。



 結局、「ニュートラル」に戻るだけの話です。一転して、明日から常にポジティブな言葉を発せよというわけではありません。黙っていればよいのです。

 かつて、IT業界に入って伝染する前は、誰もが「ニュートラル」だったはずなのです。

 相手を否定すること自体を否定はしていません。ビジネスにおいては、どうしてもそういった局面は避けられないでしょう。でも、否定したければそれは本人の前で。あるいはオープンな会議の場で。それができない(立場的になど)のであれば黙っていましょう。どさくさにまぎれてメールで毒を吐くのも、ダメです。それはエンジニアの悪いクセですから。

 最初は、意識して「ぐっとこらえる」必要がありますが、常にこらえていてはそれがストレスになりムダな不健康につながってゆきますので、自然とそうなるようにしていきます。自分が「こらえている」という意識すらなくしていきます。

 これは、できます。続けていれば、時間が経てばいつかそうなるので、大丈夫です。

 ただし、続ける意志があれば、ですけどね。やってみる価値はありますよ。「ぐっとこらえる」時期をすぎ、それが無意識になるころには、人生がすでに少し変わってきています(もちろん、良い方に)。



 とても重要なことは、組織というのは最初は、一見威勢の良さそうな、そういうネガティブな(荒っぽい?)言葉を吐くような方になびきますが、すぐ化けの皮が剥がれます。なぜなら、すぐに信頼を失うからです。他人の陰口を率先して言うような人についていこうと思う人はほとんどいません。自分も見てないところでボロクソ言われてるんだろうなと、疑心暗鬼になりますから、信頼関係が成り立たないのです。

 いろんな局面でぐっとこらえられる人は、信頼ができ、やがて組織はそういう人になびいていきます。ので、待つことです。

 それは、「流されない」ということでもあります。不健康な業界体質、陰口体質の職場に流されないこと。流されない自分になることにより、信頼を得ることもでき、さらに健康を手に入れることもできれば一石二鳥です(本当は、将来的には一石何鳥にもなるのですが)。