元祖【ひとり公論】

誰かには必ず、ほんの少しだけでも役に立つに違いない、という意味での公論

懺悔の生活

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よくこういうことを聞きます。「あなたはむやみに、あの飯炊きさんをやさしい人じゃと言いなさるが、なかなか強情な女ですよ。」また、ある人は申 します。「家の娘もあなたと話しているときはなかなか気の利いたことを言っていますが、随分言うことをきかぬので困ります。」また亭主の口から 「家の家内も、あなたにだけはうまいことをしゃべっています」と。また、たいていの人は、「天香は、人をよく見過ぎる癖がある」と評します。仮に こうした婦人たちから、一時間ずつ私にのみ向ける同情を貰うて、十時間歩き回るとします。すると私は一日中やさしい女性にかしずかれていうことに なります。一人の女の、あとの九時間は私は知らない。