元祖【ひとり公論】

誰かには必ず、ほんの少しだけでも役に立つに違いない、という意味での公論

身体をいたわる~「ベンさん」の話


[再録]身体をいたわる~「ベンさん」の話|(改題)ひとり公論

 私たちエンジニアは、身体をいたわる、ということに対してほとんど無頓着でした。

 前回、脳を休めるべき(我々は頭脳労働者なので!)ということを書きました。それはもちろんそうなのですが、身体のほうもいたわらなければなりません。

 身体をいたわる、その姿勢こそが健康法なのです(私たちは残念ながら、それすらやってない……)。そして、自分の身体のいたわり方は千差万別です。たとえば、「いたわる」とは、ただ休ませるということではなく、活発に身体を動かしたり負荷をかけたりすることが結果的に「いたわり」になることもあります。

 ふたつ、確実に言えることがあります。ひとつは、この業界の人たちはとかくジャンクフードを好む傾向にありますが、(しかも深夜に食べる)それは脳が望んでいる(脳を甘やかしている)だけであって、身体をいたわってはいません。脳が発信する欲求にあまりに忠実に従って食物を摂取していると、見事に身体は壊れます(このトピックについては大事なので、いずれ集中して書きます)。

 もうひとつ、これが本日のメインのトピックでかつ、ほとんど私のオリジナルだと思いますが、「『催し』たらすぐにトイレにいきましょう!」ということです。

 なぜならば、「催す」というのは脳ではなく身体から発する重要なサインだからです。身体からのサインに即座に従う姿勢をみせること。「ああ、この人は自分の言うことを聞いてくれるんだ」と身体を安心させること。身体の信頼を得ること。これが、大事です。

 「ベンさん」(ソフトに、そう呼ぶことにします ……何を指しているかわかりますよね?)は「出してくれ!」というサインを1回か2回、強烈に発します。(みなさんご存知のとおり!)そのときに、ベンさんのいうとおりに「出してあげる」こと。健康法的にはこれは最優先事項になります。

 最初は、我々がベンさんに試されることになります。例えば、ベンさんのサインは電車の中だったり、重要な会議中だったり、しますね(えてしてそんなものです)。そういう時でも、できるかぎり要求に応える姿勢を見せる。それが複数回続くと、ベンさんとの信頼関係ができ、もう試されることはなく、ふつうにトイレにいける状態のときに「サイン」がでるようになります(ホントですよ)。

 この状態まで持ってゆきましょう。多くの方々はベンさんに試されているときに「出してあげる」ことをせず、こっちの都合で無理やり引っ込めてしまうので、身体との信頼関係が築けていません。

 そうするとどうなるか?一般的にいえば便秘になりやすくなったり、宿便がたまったりします。もっとざっくりいうと病気になりやすい身体になったり、実際病気になってしまったりします。

 これらは、我々が生産性高く仕事をしてゆく上で最優先で回避しなければならない事項です。

 とにかく、便秘や宿便について軽視している方が多いので、まずは「ベンさん」のサインを意識していただきたいと思います。身体からのサインのうち「ベンさん」のサインがいちばんわかりやすいので。

 トイレ環境が劣悪な現場はやめたほうがよいです。トイレそのものの質ではなく、(会議中などをのぞき)うかつにトイレにも立てないような、軍隊的な監視がなされている現場ということです。それは、「基本的人権」は人間としての「尊厳」にも関わってきます。