元祖【ひとり公論】

誰かには必ず、ほんの少しだけでも役に立つに違いない、という意味での公論

頭山満先生!

詩作などの上でもさうぢゃが、床の中で、夢か現かの間に名句なんどを得ることがある。天下の名句ででもあるやうに、鬼の首でもとった気で、翌朝起 きてみると、何のことやら薩張り分らぬ。覚えてゐたところで、後が何やら分らんものになってしまふ。兎角寝てゐて考えた妙案ほど 愚案はないのぢゃ。「小人閑居して不善を為す」と孔子様もいって居られるが、「果報は寝て待て」なんどと巫山気てゐる ものに、果報が落ちてきたためしがない。要するに「無用の妄想」に過ぎない。