元祖【ひとり公論】

誰かには必ず、ほんの少しだけでも役に立つに違いない、という意味での公論

懺悔の生活

懺悔の生活 新版

懺悔の生活 新版

この生存競争の激しい世界での奉仕という態度は、その奉仕しただけ、自己の力を弱めることになるので、「勝たねばならぬ生活」の基調から見ては論理的に矛盾であり、また事実においてもできたがいことになっております。長者が持物の幾分を削って奉仕するとか申しても、多くの場合ははたから余儀なくされてのことである。この余儀なくされての奉仕は、その生命を失うています。(略)奉仕の名によって、なんらかの利益を得ていかねばならないようであってはならぬ。(略)徹底した奉仕によってこそ、われらはすべての行詰りを整理することができようが、徹底しない奉仕はむしろ禍害になるかも知れぬ。(略)本当になりきったときには、奉仕というようなことを思わないであろう。