元祖【ひとり公論】

誰かには必ず、ほんの少しだけでも役に立つに違いない、という意味での公論

イトイ新聞

小林薫さんと、居酒屋ごはん。

糸井
一番気持ちいいことは何かな? で、掘り下げてったら気持ちいいのかなっていうときには、掘るっていうことはしてみるの。だから、全部、だからその都度スタイル全部違うんですよね。案外飽きっぽいと言ってる割には続いてることは続いてるんですよ。
小林 うん。
糸井
だから、「ほぼ日」なんていうのは、「1日も休まないで12年やれ」って言ったら、誰もしないよね。
小林 うん。
糸井
で、それはやれるんですよ。で、だいたいのことは、飽きるんですよ。
小林
でも、だいたいみんなそうなんじゃないですか。だいたい。
糸井
いや、たいがいまぁ、そうだけどね。で、それは最初からそういうつもりでいて、飽きるってなんで飽きるんだろうなあ? っていうことに興味を持つんですよ。
他の人もそうだから。
小林
あぁー。いや、僕もみんなここにいる人も、だいたいほぼ何かについては飽きていて、
続いてるのっていうのは、本当に「ほぼ日」みたいに、自分の仕事になっているようなこととか、お料理だとか、なんかそういうかろうじて持続してるものがあるだけで、
あとはやっぱりみんな飽きてるんじゃないかなぁ?
糸井
だから、「これが一番いい」って言ったはずのものに飽きてるんですよ。
小林 ああ、ああ。
糸井
だから、じゃあ、「これが一番いい」って思ったのは嘘かっていうと、嘘じゃないじゃないですか。「一番いい」ばっかり言ってるのに、どんどん飽きていくっていうことが、とても興味のあることなんですよね。