元祖【ひとり公論】

誰かには必ず、ほんの少しだけでも役に立つに違いない、という意味での公論

効果が「ない」のではない

stevengerrard.hatenablog.com

 星の数ほどある健康法のうち、主にダイエット法の失敗のコメントでよく聞かれるのが、「いろんなダイエットをためしてみたけど、どれも自分にあわなかった」と、いうものです。

 まず、こういうコメントをする方というのは、続けていません。「ためしてみた」というのはホントに、数回なのでしょう。数回で「自分にあわない」と決め付けるのが、おかしい。

 「あわない」という根拠は、「期待していた効果がでない」ということですね。1カ月すら続けられずに「効果がでない」と断じられるのですから、巷のダイエット法もかわいそうだと思います。

 何も効果が出ないまま1カ月続けるのは確かに、はりあいがなくて大変かもしれませんがもともとダイエットというのは地道なものです。しかも、自分の理想体重になったとしても、一生、節制を続けなければならないのです。



 アヤしい薬を飲み続けなさい、とか、ずっとバナナだけを食べなさい、いったような類の極端なダイエット法や健康法は論外ですが、たとえば医学的に(本当に)推奨されているような健康法であれば、継続的に実践すると、まずは身体から悪いものを追いだそうとするので、いろいろな症状が出ます。

 たとえば食事療法を始めたときに、最初に熱が出たりしますが、これは身体が変わろうとしているサインなのですが、ここで止めてしまう方がほとんどですね。「身体がおかしくなった」といって。

 健康法を実践しているのに熱が出たりするわけですから健康法に裏切られた気分にはなるかもしれません。それに、不安にもなります。

 健康法なりダイエットなりを実践しようとしている人はそもそも乗り気でないことがほとんどで、嫌々、仕方なくやっています。ですので、常にやめる理由を探しています。「1週間(も)続けてるのに、ぜんぜんやせない!」とか「健康法をやっているのに発熱した!自分の身体には合わないんだ」とか、まんまと辞める言い訳を見つけてしまうわけです。

 常にやめる言い訳を探しているのであればどのような健康法を選んだところで結果は同じ、ということですね。



 また、健康法なりダイエットなりというのは、それなりにお金をかけてしまいますので(たとえばジョギングやウオーキングを始める際にまずウエアを新調したりとか)どうしても「こちとら客だぞ」という気分になってしまうんですよね。「ン千円(あるいはン万円!)も出したのに。。」と、お金に見合う効果を期待してしまいますし、効果はすぐあらわれてほしいと思うのが人情というものです。

 苦しいことに、お金を出す不思議。。なんだか医者に通って「(わざわざ)病気になりにゆく」のに似ています。

 自分の習慣を根本から変えようとするわけですから、苦しいですよね。そして、「今までの自分は怠惰だった」ということを認めざるをえないわけですから、過去の自分を否定するのもとても苦しい。



 効果をすぐに出したいのであれば確かに「アヤしい薬」のほうがよいのかもしれませんが……1つ確実にいえることがあります。

 健康法やダイエット法において、即効果を期待するのであれば強力な「薬」(たとえばやせるための強烈な下剤であるとか、極端に食欲をなくさせる薬とか)を服用すれば実現できるのかもしれません。実際、そのような効果がある(と噂になっている)薬が市販されているのだとしたら、それは何かしらの劇薬を、オブラートに包んで新しい製品として販売しているだけだと思います。

 であれば、健康のために「劇薬」を服用するという行為自体が矛盾していることは明白です。あまりにあたりまえのことですが、劇薬を飲めば人間は不健康になります。

 そういう行為は一切やめましょう。そんなことをするぐらいだったら(同じくお金をかけるのであれば)とにかく楽しいと思えること、やりたいと思っていたことをやりましょう。たまには、大酒を飲んだりおいしいものをたらふく食べたり、買いたいと思っていた服なりギアなりをぱーっと買ってしまったり……(1日ぐらいだったら会社をズル休みしてもいいじゃないですか!)

 そのほうがまだ、いや、かなりマシだということです。かたや「劇薬」を飲んで身体を痛めつけながら健康な気分だけをゲットして自己満足に浸るよりは、ぱーっとやりたいことにカネを使って、とにかく(一時的にでもいいので)楽しい気分になりましょう。

 カネをつかって飲んだり食べたり、散財したりすることは決して健康的ではありませんが、薬を飲んで不健康になるより100倍マシだということです。