元祖【ひとり公論】

誰かには必ず、ほんの少しだけでも役に立つに違いない、という意味での公論

(昔のメモ)長文:夢

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高校生の頃から、昼間によく夢をみました。

学校の机で寝ていると、足を「がくぅ!」と踏み外して起きる。で、そういうときは必ず崖っぷちで足を踏み外す夢でした。

でも、これってよく考えると不思議な話で。
なぜ、リアルの世界で足を踏み外す瞬間と、夢の中で崖から足を踏み外す瞬間が一致するのか?

夢の中のストーリーは、すごく長いのです。何ものかわかりませんが強大な敵と闘っていて、崖っぷちに追い詰められるまでにリアル世界の時間に換算すると少なくとも30分ぐらいはあるでしょう。

で、追い詰められてから敵のボスキャラと何らかの会話を交わすわけですよ。

ぼすきゃら:「ふっふっふっもう逃げられんぞ。オマエももはやここまでだ!」

ぼく:「く、くそう。。」(ちらと後ろをみると断崖絶壁)

ぼすきゃら:「とどめだ!」

ぼく:「う、わあ!」(この「!」のところでリアル世界では足が「がくぅ!」となる)

ぼく:「あああぁぁぁaaa。。。」(「がくぅ!」から0.5~1秒後ぐらいに目がさめる)


こんな感じ。

と、いうことは、ですね、まず、「足がくぅ!」って不確定要素じゃないですか。つまり、自分の意思でコントロールできない事象だと思うんですよね。

いつ「足がくぅ!」がくるかわからないし、机で寝ていると必ず「足がくぅ!」となるわけでもない。寝始めて即「足がくぅ!」がくるかもしれないし20分後かもしれない。

でも、「足がくぅ!」がくると必ず似たような夢の、同じような展開のところで、目がさめる。

なので、私が立てた仮説というのは、人間というのはとある事象が起こった瞬間から夢をでっちあげているに違いない、ということなんですよ。

別な例でいえば、小さい子供が、おしっこを漏らしました、と。もっと具体的にいうとリアル世界で尿を発射した瞬間、あるいはその直前に、脳は洪水に呑み込まれておぼれる夢を作り出すわけです。

そういう夢をみていたから、リアルで尿を発射するのではないのです。生理現象で尿を発射する瞬間に夢が作り上げられるのです。


と、いうことは。夢の中っていうのはリアルの時間の流れではないですよね。これは、間違いのないところです。

死ぬ間際には走馬灯のように、生まれてからのさまざまな出来事が一瞬で駆け巡るといいますしね。仮にそれを映画でみるとしたらゆうに2時間はかかりますよね? 自分の人生のダイジェスト版であったとしても。それが、死ぬ間際にはまさに一瞬!で流れるわけです。


私は昔は、ながーい夢をみているときは6時間睡眠のうちのほとんどの時間をかけてその夢をみているのだと思っていました。

でも、違うんですね。ながーい夢であってもショートな夢であっても、それはリアル世界に換算すると一瞬なんです。

というか、「一瞬」という概念すらない。もっというと、夢の世界には時間という概念はないのです。

言い方をかえると夢の中では時間が伸縮自在である、といってもよいかもしれません。というか、過去から現在、未来へと時間が一直線に流れているわけではないのですよね、夢の世界というのは。もっと変幻自在なんです。


ところで。
子供が、夢をみているときというのは、目をくりくりさせたりしていますよね。楽しい夢を見ているであろうときは、けたけたと笑ったりします。あとは寝言。寝言というのは、完全に夢と連動しています。夢の中での自分の立ち位置で、夢の中での自分と同じセリフをしゃべっているはずです。

寝言というのはリアルでの出来事ですので、しゃべるのに数秒かかります。でも先ほど私は、夢というのは一瞬であると言いました。矛盾してますよね。これは、どういうことか?

先ほどの例では「がくぅ!」というリアル事象が発生した瞬間に夢がでっち上げられると書きましたが、寝言は違います。夢に引きずられて現実に寝言が発生するわけです。

これはどういうことかといいますと。。簡単にいえば、眠りが浅いということです。眠りが浅いときに、夢に引きずられてリアルでしゃべってしまうという。
寝言を、言うときもあるし言わないときもあります。めったに言わない人もいますし、ほぼ毎日寝言を言ってる人もいます。この違いは、何なのでしょうか?

ところで不思議なのは、この「足がくぅ!」って私の知人のほとんどが経験してるんですよ。みーんな、同じような夢をみている。

そしてみーんな、子供の頃におねしょした人は同じ夢をみている。

それはなぜなのでしょうか?

この問いは、私にとっては、なぜ曼荼羅は世界中で似てくるのか?と同じぐらい難しい問いです。

なぜ、先祖の時代からゼッタイに交わらなかったはずの世界の端っこと端っこで、同じような民話があるのか? 人種も言語も違うのに、なぜストーリー展開が酷似しているのか?

不思議ですよねえ。なんかあるんですよねえ、意識の源泉に。人類共通の記憶、みたいなもんが。


それぞれが夜、見る夢というのは、それぞれ違うはずなんです。あたりまえですよね。皆生まれも育ちも経験も違うわけだし、昨日イヤなことがあった人はイヤな夢をみる可能性が高まりますし、逆にウキウキな人は夢も楽しい夢であることが多い。

通常モードでみる夢は、「みんな違って、みんないい」(by金子みすず)であるにも関わらず、同じ事象が起こると同じ夢が脳内で作成され、それが強烈であるがゆえにそれまで見ていた夢を忘れさせてしまうわけです。

ふたつ例をあげた、「おしっこ」と「足がくぅ!」はたぶん人類共通の記憶の中に入ってるんだろうな(笑)