元祖【ひとり公論】

誰かには必ず、ほんの少しだけでも役に立つに違いない、という意味での公論

致知

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とにかくビジネスに携わる人たちは読んでくれ。
(以下引用)


米倉満 致知11月号

祖父の母は大変信仰心の厚い方で、「おまえの守り本尊は観音様であるから、毎月十八日はお参りに行きなさい」と言われた祖父は母の言いつけをよく守っていました。ところがある月の十八日の朝、祖父は寝坊をしてしまい、慌ててお参りを済ませるも開店時間に間に合わないことがありました。ちょうどその時分に店を訪れた松竹の大谷竹次郎氏は祖父の不在を知り、後日改めて来店された際、開口一番こう聞かれました。「君は何か自信をなくしたことでもあるのか」と。

祖父が驚いて聞きなおすと、大谷氏は観音様にお参りに行くことそれ自体はよいが、開店中に主人が留守とはどういうことか。お客様に不自由をさせて、ご利益などあるだろうかと懇懇と諭され、最後に「客商売は、客が店の信者なのだ」とおっしゃったそうです。

祖父は我が身を恥じたといいます。お客様を差し置いて観音様をいくら拝んでも、ご利益などあろうものかと。