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元祖【ひとり公論】

誰かには必ず、ほんの少しだけでも役に立つに違いない、という意味での公論

食について(9) 「エコ」との関係

2012年06月 人間学

ameblo.jp

 エコロジーというのはおそらく、「(人間と)自然との共生」とか「自然との調和」とか、本来はそういう意味であり、その言葉どおり解釈すればよい、と思うのです。極めてシンプル。

 こういう考え方が発展してきたということは、人間自身が人間という存在を、「自然」から逸脱してしまったと考えているのでしょう。そして、「上から」そう考えているのが現代社会におけるエコロジストです。エコロジストには自然に対する畏怖が足りない。

 そういうエコロジストはほぼ西洋人でしたが、最近は日本人でもそういう考え方をする方が増えているように思います。

 人間が自然から逸脱した存在であるというのは正しい。とっくに食物連鎖からも逸していますし。ですが、我々人間は、自然界から「高みにのぼった」わけではなくて文字どおり「逸脱」しただけです(いってみれば「落ちこぼれ」?)。

 エコロジストは自然やら地球に対して(なぜか)神の視点でものごとをみようとします。そこが、腑に落ちないところですね(「何様?」と……)。



 人間というのは、自然から逸脱しながらも自然の恩恵を受けなければ生きていけません。自然の恩恵とは、太陽、大地、水、そして生物です。

 人間は太陽の光を浴び、この大地に根付き、水を飲み、そして生物を食べます(植物含む)。どの生物を食べるかどうかは人間が勝手に決めるわけで、食べられる側からしたらいい迷惑というか(笑)。なので結局人間は、自然の恩恵を受けつつ、野生の動植物を捕らえるのをほぼ諦めて、「育てる」方向にシフトしてゆきました。人間が育てて、人間が食べる。だったらいいだろ?という(笑)ジャイアニズム……。



 まぁ、こういった壮大な話はおいといて(笑)、私が書くと知識不足を露呈しますので……。



 数百年前は「自然食品」しか世の中にはなかったのでしょうね。味噌とか漬け物、納豆といった保存食品系は、「加工」していると考えてもよいのかもしれませんが、加工するために自然の力をいただいているので、私の中では自然食品の位置付けです。

 そして近代では、恐れ多くも(笑)人間が加工食品を「生産」するようになりました。最初は非常用だったはずですが、やがて工業化の波に乗り、大量生産を行えるようになりました。

 ずっと以前から、人間は、人口爆発による食糧不足、飢餓への恐怖を敏感に感じ取っていたのかもしれませんね(だから、加工食品をやたらと大量生産する)。

 さらに、人間が人間の嗜好を分析し、「おいしく感じる(だけの)」加工食品をどんどん作り出すことができるようになったおかげで、話がややこしくなってきました。

 人間は自然食品か加工食品かの選択ができるようになりました。人間の生活が、干ばつや自然災害による不作に致命的に影響されなくなってきました。お金さえあれば、別の国から自然食品も加工食品も買うことができます。選択肢の増加は、世の中が豊かになった証左といってよいと思います。



 ところで、ここからやっと本題ですが。

 人間が、自分たちが自由に生産・コントロールできる加工食品だけで、人間が摂取しなければならない栄養のすべてを摂取可能であると考えているのだとしたら、それはかなり大きな間違い(笑)です。科学万能主義がもたらした悲しい誤解といいますか……。

 でも、誰の洗脳なのか分かりませんが、現代人の多くがそう思っていませんか? それが極端だというのであれば、人間というのは加工食品と自然食品をうまく組み合わせて生きてゆけば、より健康に、より長生きすることができる、という、人間にとって極めて都合のよい考え方をしているように思います。

 実はまだ、その入口にも到達していないのです。言い方を変えれば、いまだに人間は、自然食品だけ摂取していれば長生きできます。加工食品は、「健康で長生きする」ためにはまったく無用で、それどころか害にすらなりえます。

 先ほどの話に戻りますが、人間は、ゼッタイに、自然(食品)と共生しなければ生きていけないのです。いや、自然(食品)との共生を拒否しても「死なずに生きる」ことはできるかもしれませんが、少なくともゼッタイに健康にはなり得ないでしょう。



 以前より何度も書いているとおり、加工食品は「嗜好品」です。嗜好品ですから、人間の技術力により、自然食品より「おいしく」することはできるでしょうし、それは人間の自由です。

 加工食品を食べるな、といっているわけではなくて、現代人は、大いに嗜好品を楽しむべきだと思います。ですが、加工食品「で」栄養を摂取(あるいは補充)しようという考え方をやめませんか、と。

 いわゆるサプリメントも、私は嗜好品と考えています。例えばお菓子は、おいしい要素をまぶしてありますが、サプリメントは栄養素をまぶしているだけの違いです。実際、ケミカルな意味での栄養素が身体に入ってくるかもしれませんが、それを身体が本当の栄養として吸収するかどうかは別な話です。

 でも、サプリメントにより栄養素を補充した「気になれる」のであれば、それは悪いことではないですし、現代人にとっては必要なのかもしれません。



 それと、嗜好品として加工食品を楽しむならばまだ、よいのですが……純粋に空腹を満たすために活用されている状況も、どうかと思います。

 よく「腹持ちがよい」食品という話を聞くのですが、胃に入ってケミカルに広がって空腹感を排除する食品って……なんだかアブなくないですかね?

 手軽に空腹感を満たす食品ってかなり売れていますが、もうとっくに、空腹を満たすことを優先する時代ではなくなっているのですけどね……。

 つまり、ひとことでいえば「チープ」なのですね。豊かな時代に豊かな人間がとる行動ではないだろう、などと考えてしまうわけです。



 「じゃあ夜中にどうしても腹が減ったらどうしたらいいんだ!」という反論が聞こえてきそうですが……普通に、ごはんに納豆や生卵をかけて食べればよいと思うのですが(笑)。そんなに手間でもないでしょうしね。