元祖【ひとり公論】

誰かには必ず、ほんの少しだけでも役に立つに違いない、という意味での公論

ツール依存

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我々は産業構造の変化により、21世紀に入り、「全人的存在」であることを求められるようになってきたのです。


カンタンにいってしまえば、エンジニアに求められるレベルがとてつもなく上がってきたということです。求められる「レベルが上がった」とは求められる「スキルレベルが上がった」わけではありません。我々はますます「全人的存在」たりうることを求められるようになった、ということです。


このパラダイム・シフトに気付かないと、21世紀も10年すぎたのにまだ(小手先だけの)スキルの向上を求めているようでは、取り残されてしまいます。いや、取り残されるならばまだよいのです。業界から排斥されてしまうかもしれません。あるいは逆に、取り残された人間だけが残ったこの業界が、沈没を余儀無くされるかもしれない。



特にサラリーマンは働き方を抜本的に変えていかなければ生き延びられない、といわれています。そしてそれを仕掛けたのがいわゆる「IT」なわけでして。。ということは、この激動の時代の「うねり」をつくってきたのはまさに我々?(「我々」とはいわゆる「IT業界」に携わる人たちという意味です)などと「カンチガイの夢」を見させてくれたりします。

どんな小さい会社でも、どんな安い案件でも、とある会社や団体にとあるシステムを納品して、それが運用されているのであれば、そして、開発・構築・運用に携わったのであれば、それは「世の中を変えた」ということです。別に世の中を変えたのはゲイツジョブズや孫さん等のビッグネームだけではありません。

我々はもっと誇ってよいのではないかと思いますけども。


さて、
以前書きましたとおり、「IT」によりホワイトカラーの労働環境は激変しましたが、果たして生産性が上がったのか? という点について皆が疑問に感じています。



ま、上がってないんでしょうね、はっきりいって。皆が疑問に感じているということは。ネット上の誘惑も多いですし。。





いわゆる「リテラシー」の格差がはっきりしてきて、生産性が異常に上がった人と取り残された人とが混在し、全体としては下がり気味、といったところでしょうか。


環境が激変したことには違いありません。一部のビジネスマンはこの激変を敏感に感じとり、ついていこうとヒッシです。

ですが、ビジネスマンの大部分はヒッシじゃない。「激変」に対して「ゆるやかに変わっていけばいいや」ぐらいに、思っています。こういう人たちが全体の生産性を下げているのかもしれない。




重要なのは、この激変し続ける世の中で「ITで生産性をあげよう」とかいってる人たちは最初っからツールに頼る気満々で、自分自身が変わる気がないのです。(たぶん)

そして、自分の生産性が上がらないのをツールのせいにする(気満々)。あるいは、枝葉末節であるツール操作ばかり習熟して、「こんなに上手になったのになんで生産性があがんないんだよ!」と八つ当たりする。



変わらなければならないという切迫感はけっこう大事ですが、行動に直結しない堂々巡りはいけません。そして、変わらなければ!と資格取得に走ったりツール操作にかまけてしまったりといった行動は、その次につながるならばOKですがそこで完結してしまってはなりません。私どものようなICT業界に携わる人たちの中にこういう人がけっこう多いので、もったいないと思います。


逆に、「徹底的に留まる」はこれはこれで、潔い。もし生き延びていればどこかで脚光を浴びるときがくるでしょう。ですが、残念ながらそれでは都市で生き抜くことはできません。


じゃどうしたらいいのか! と。その謎をとくカギになるのがこの「全人的存在」というキーワードだと、新年早々考えております。


ひとつ参考になるのは、「ホンモノはどれだけの値段がついても、いつの時代も必ず売れる」といういつの時代も普遍的な事実。ありていにいえば「ホンモノになりましょうよ」ということです。