元祖【ひとり公論】

誰かには必ず、ほんの少しだけでも役に立つに違いない、という意味での公論

「ひとりすぐやる課」

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僕は、仕事においては「ひとりすぐやる課」を目指しています。依頼を受けたらすぐやる。(元祖「すぐやる課」についてはこちらを)

すぐ「終わらせる」ではなく、(それは難しいので)すぐ着手するということです。着手したことを依頼元に伝える。次におおよその期日を伝える。時間がかかるときは状況を伝える。

いわゆる「ほうれんそう」です。

IT業界では「ほうれんそう」できない人多いですよね! 僕はふつうに、「ほうれんそう」をやれるので、おかげさまで、こんなあたりまえのことで僕の対外的評価を上げさせてもらえる。とてもありがたいですね。他の業界ではこうはいかないでしょうからね。。

おっと、書き方が皮肉っぽくなってしまいました。

ちなみにこれは、「ちょっとお願い!」的な作業依頼のレベルの話です。さすがに案件レベルになってくると、ビジネスが絡むのですぐやるというわけにはいかないのですが。。でも、「検討して急ぎで回答する」という誠意を見せることはできますよね。

それと、書きながら考えましたが、プライベートでもおおよそこんなもんです。仕事だからすぐやる、プライベートの依頼だから怠慢する、とかいう使い分けは僕にはできないと思います。

ところで、

先日区役所でまたやられたんですよね、「たらい回し」を。受付で用件を伝えたら「○○係に聞いてください」と。(若い、まだ経験年数の浅そうな女性だったので、イヤな予感はしたのですが。。)

○○係にいったら瞬殺で「それなら△△課へ」。△△課で聞いたら「○○係だと思います」。こういうときの返答の早いこと早いこと。。

こんなに古典的なたらい回しをくらったのは久しぶりだったので、「お役所ってのは相変わらずなんだなあ」と、逆に感心してしまいました。これじゃあ、いくら個々人がマジメに仕事していても、永遠にバッシングの対象だなあ、と。



こういうときは、怒りを通り越してあきれながら、いつも「自分らSEも同じ人種だよなあ」と思ってしまいます。この業界も、たらいを回すのは早いですからねー。。

「ウチじゃない」「私じゃない」「わかりません」とまず否定。○○チーム(あるいは、個人名)に聞いてみてください、と紹介することはするのですが、それが確定情報でないものだから、○○チームでもよくわからずまた戻ってくる。そしてたまにクレームに発展します。

わざわざ問い合わせしてくれた人に対していきなり「ウチじゃない」と否定するわけですから、印象は悪いですよね。それがそもそもの火種の原因です。クレームになるケースはほとんどの場合「言い方が悪い」のです。

もうすでに、FAQになっているわけです。こういう問い合わせがきたらまず「ウチじゃない」と即答する、ということが。決して自分たちで抱え込もうとしない。そんなに、同じ問い合わせが何度もくるんだったら、「それはウチじゃない」と0.1秒で即答する、以外の対応を考えたらいいと思うんですけどねえ。

そういう対応をこの業界の現場で何百回もみていて、とにかく、反面教師にしようと心がけてきました。そういう体質に染まらないようにしよう、と。

「ひとりすぐやる課」と考え方は似ているのですが、「ひとりワンストップソリューション」を目指しているつもりです。たらい回しはしない。

たとえば、「これは○○チームなんだけどなあ」と思ったら、とりあえず「私か担当から折り返しお電話差し上げますので、しばらくお待ちいただけますでしょうか?」と。客に問い合わせさせるのではなく、自分が一旦受けてそのチームに質問する。

そして、そのチームから引き出した一次回答を、自分から客に連絡して、「これ以上のことはこちらの部署では詳しく存じませんので、今から申し上げる問い合わせ先にご連絡いただけないでしょうか?」と、促す。

あるいは、そのチームの人に連絡したときに、お客さんに直接連絡してもらえそうな雰囲気のときはさくっと頼んでみるでもよし。そのへんは臨機応変に。



「ひとりすぐやる」でも「ひとりワンストップソリューション」でも、共通しているのは「引き受ける姿勢を見せる」ことなんですよね。実際引き受けるかどうかは、実は別問題なのです。相手に「姿勢」(イコール「誠意」)を見せられるかどうか。

それだけで、コミュニケーションは円滑になります。巷でいわれている「コミュニケーションスキル」っていうのはこういうところから始まると思うのです。小手先だけの対話術ではなくて。



ただ、非常に残念なことに。。

「ひとりすぐやる課」でも「ひとりワンストップソリューション」でもこういうことを心がけている人間はこの業界では少ないので、「あいつヒマなの?」って思われちゃうんですよねぇ。。現場によっては。

そんな、客に親切にしてるヒマあったら自分の作業しろよオマエ、と。。

あるいは、「あいつなんでもかんでも引き受けるみたいだし、頼みやすそうだから丸投げしちゃえ!」と、すりよってくる輩が、います。

多くの、リーダクラス以上の人たちがそういう考え方のままだから、現場がぎすぎすしちゃうんですよね。上の心がけ次第で、現場や、ステイクホルダとのコミュニケーションというのは劇的に変わるのですが、ほとんどの方はもっと上から言われるまでは自分を変えようとはしない。実際に、個々の心がけにより現場の雰囲気が変わってゆくのを見たことがないから、信じられないのです。


これも、おかげさまで、といいましょうか。。僕自身が現場のリトマス試験紙だと思っているので、僕に対する接し方で「この人とは長く、一緒に仕事はできないな」というのはわかります。若手クンならまだしも、ある程度この業界で経験を重ねてきているオトナであるにも関わらず、「引受けよう」としている人材に対して「オマエヒマなの?」と言ったり、「カモがネギ背負ってやってきた! 丸投げしてやれ!」と考えるとか、そういう人とはなるべく距離を保ち、染まらないよう染まらないよう心がけてきました。(細かいことですが、たとえば飲み会でその人の近くに座らないとか。。)



一番重要なことは、確かに、「ひとりすぐやる課」も「ひとりワンストップソリューション」も最初はキツいのです。親切心の逆効果でヘタに仕事抱えて残業しちゃったりします。

でも、最初だけなのですよ。その心がけを続けてしばらくすると、劇的に変わってきます。かなり楽になってきます。最初丸投げしてきた勢力もいつの間にか視界からいなくなりますし、なんだかクレームになりそうなヤバそうな問い合わせも、こなくなります。確実にいえるのは、その心がけを励行していなかった以前よりも、自分のおかれる状況が楽になります。

自分が変わると、周りにも良い影響を与えるようになります。それは、必然なのです。

逆にいえば、自分が変わっても、いつまでたっても周りが変わらないようであれば、その現場は早めに見切って、なんとかして「逃走」したほうがよいでしょう。そういう、いかんともしがたい現場というのは、ありますので。