元祖【ひとり公論】

誰かには必ず、ほんの少しだけでも役に立つに違いない、という意味での公論

「不安を押し売りされたような感じ」

stevengerrard.hatenablog.com

 

魂にメスはいらない ユング心理学講義 (講談社+α文庫)

魂にメスはいらない ユング心理学講義 (講談社+α文庫)

 

 ◆
ユングも影について、「自分の生きなかった反面」という言い方をしています。つまり、自分の人生で、ある面を生きていくということは誰でも別のある面は生きてないわけでしょう。その生きていない半面が、同性の姿をとって夢にあらわれるわけです。たとえば、よくこんな夢を見るでしょう。自転車に乗っていて、ハッと運転席を見ると、自分のきらっているやつが運転していた。それが影の典型です。
谷川 影というのは必ず自分以外の人間となってあらわれるんですか。それとも、夢の中で自分が思いがけない行動をしたとかいうふうに出ることもあるんですか。
自分が思いがけない行動をしたような場合、たとえば普段おとなしい人がおやじを殴った夢を見たとすると、それは影的なものが自分に非常に近くなっていることを示しています。逆に「誰か知らんけど出てきて、何かくれたようです」というようなわからないだらけの夢があるんですが、それは自分の影に対する自覚が非常に薄いわけです。そういうときは、こっちも「何でしょうねえ。今度はよく見ていてくださいよ」としか言いようがない。