元祖【ひとり公論】

誰かには必ず、ほんの少しだけでも役に立つに違いない、という意味での公論

昭和懐古趣味


昭和懐古趣味|(改題)ひとり公論

戦後の焼け野原」から脱却した昭和30年ぐらいから48年、具体的にはオイルショック前までの政策は、現在ではおおむね肯定的にとらえられているみたいですよね。実際、高度成長という「結果」を出してますし。

昭和懐古趣味、みたいなムードというのは、昭和末期のバブルの頃でなくて、日本が戦後立ち直って高度成長期を迎えた頃をピンポイントで「あの頃の日本が最高だった(精神的充足度、幸福度の高さ)」といっているように思えます。

でも、僕が思うにあの頃はまだ国鉄のサービスはサイアクでしたし、お巡りさんは超・高飛車だったし、飲食店やいろいろなお店のサービスも悪かったし、公衆便所は入る気がしないぐらい小汚かったです。街中は排気ガスで臭く、川は汚れていて魚も住めなかった。

学生運動やらなんやらで日本人は今より暴力的だった(ような気がします)。世の中のおっさん連中はぽいぽいと、タバコの吸殻を道端に捨てていた。つまり、まだ大衆の「民度」は低かったのではないかと思います。にも関わらず、「あの頃の日本が最高だった」と思われている不思議。。

戦後はずっと同じ憲法でやってきたわけですから、ジャパンオリジナルの戦後民主主義はずっとベースとしてあったはずなのですが、民主主義が成熟していない発展途上の頃の日本が精神的豊かさでは最高で、それが成熟を迎えようとする頃から、物質的豊かさと反比例して幸福度が下がってゆくというのは。。

なんでしょう、「熱気」なんでしょうかね。社会が成熟して人間が丸くなって、世の中に熱気がなくなってきたのは、確かですね。でもそれは日本および日本人が望んでいたことなのかもしれないですし。

日本はいつの間にか社会主義社会民主主義)に移行してしまったのだ、という考え方もあります。

確かに、あまりにもなんでもかんでも平等平等で、社会がいわゆる「帝王学」的なものをなおざりにしてきたような気はします。そういえば日本にはつい最近まで「飛び級」はありませんでした。