元祖【ひとり公論】

誰かには必ず、ほんの少しだけでも役に立つに違いない、という意味での公論

表層(ツール)じゃないって。


表層(ツール)じゃないって。 - シニアICT土方の【IT公論】

オイラ6年前に、飲み屋で「暴発」して、スイッチが入ってしまって、現場で一緒に働いている面々にアツくカタったことがある。滅多に「暴発」なんてしないから、未だにその状況をおぼえている。

このギョーカイの飲み会だからさ、スキルアップがなんやら、SEとして歳とったらどうするか、みたいなことがよく話題になる。(切実だから!)
そのとき、オイラにはまだ迷いがあった。あったんだけど、確信みたいなのがおぼろげに見えてたんだよね。

とある、仲良くしてたヤツが、これからはもっとLinuxだとかやっぱPostgresだよDBの時代でしょ、とか、快調にカタっていたんだよ。
オイラ以外のメンバーは、ふんふん聞いてたんだけど(つまり、それなりに同意してるっちゅーことね)オイラはどうも腑に落ちなかった。「ちょっと待て」と。

だって、ツールっちゅーかパッケージというかS/W名称というか、その「引き出し」をどう増やしてゆくか、というハナシしかしないわけさ。(今の時代の若手クンも、そうだけど)

オイラはその時代からバリバリ文系でさ、そういう「名前」ね、「これからは●●」みたいなベンダーの営業文句に根本から疑問を感じていたから、「オイラは そういうのにゼンゼン興味ない!」「でも、なんでかわからないけど、ゼッタイこのギョーカイでやっていけるような気がする!」と。

いつもなら流せるハナシだったんだけど、(「あー、そうだねー」みたいな)その夜はなぜか、スイッチが入ってしまった。


な~んか自信があったんだよなあ。無根拠で。

でもその頃からでしょ。エンジニアにビジネススキルが求められるようになってきたのは。
それを、そのグループでオイラだけは敏感に感じ取っていた、という自信はあった。なぜかというと、オイラはユーザ窓口やってたからね。ユーザと話していると「ビジネス」を肌で感じれるから。


今思い返すとね、テクニカルスキル志向の人間は常に不安を抱えていた。たとえば、35歳定年説とかね。
でもオイラは、テクニカルスキル志向には反目していたし、実際スキルもなかったけど、そいつらよりは「未来は明るい」と思っていた。
その頃は、なぜ「未来は明るい」と考えられたのか、わからなかったんだけど、つまりは消去法だよね。テクニカル志向になればなるほど不安になってゆくのであればそれを捨てればいーんじゃん、っていう単純思考。
(結果的にはそれが正解でしょ?)

テクニカル志向になればなるほど、内向きになってゆく、ということ。(その時代は、ね)
オイラは、ユーザとビジネストークできたし、常にユーザに文句言われて、揉まれてたから、揉まれてるっていう自信があったから、「ビジネス・シーン」という広大な地帯にほおり出されても自分は大丈夫に違いない、と、思ってたんだろうねえ。
推測だけど。

内向きになればなるほど、ビジネス・シーンではうまくいかなくなる可能性が高い。だから、テクニカル志向になるほど不安が増大する。
それが結論。


で、結果は出してるよね。「シニア」IT土方としてこのギョーカイの底辺で生き残ってるから。