元祖【ひとり公論】

誰かには必ず、ほんの少しだけでも役に立つに違いない、という意味での公論

休むのもスキルだ!(4) 「自由」

休むのもスキルだ!(4) 「自由」
学生と違い、社会人は、休暇はある程度自分の裁量できめることができる。
なんて自由なんだろう、と思うよ。

大学生の頃、自分の判断でゼミや授業を休んで(サボって)いた、とムネを張るヒトたちがいるかもしれないけど、それはただの釈迦の掌の上の孫悟空である。
それに、「サボる」って行為は決して自慢すべき、そして賞賛されるべき行為じゃないっしょ。

 

社会人が、自分で仕事を調整して、休暇を取得する。上司の冷たい目線をかいくぐって。。
これこそが「自由」なんだよ。
もちろんリスクも、背負う。上司の冷たい視線よりも、その向こうのエンドユーザとかのことを考えて仕事を調整しなきゃね。

  

学生は不自由だけどラクなんだよ。
社会人は自由だけどツラいの。
どっちを選ぶか? ってアンケートをとったら、学生に戻りたい社会人って何パーセントぐらいいるんだろうね。。

 

半ば強制的に、「有給を消化せよ!」と夏冬に連続休暇を「取得させられる」のなんて、まったく自由じゃない。
すげーキラいなんだなあの「連続休暇取得奨励」制度って。夏冬の1wずつの休暇ぐらい、なんで会社が社員にプレゼントしてやらないのか。。 会社という存在の「器」の小ささを露呈している。

 
  

ところで。。
有給休暇をきっちり、効果的に取得すれば、無遅刻・無欠勤(予定休暇をのぞく)は実現できるよね。
まァ忌引や家族の有事はあるだろうけどそれは例外として。。

自分の「ライフサイクル」を本気で考え、自分の習慣を安定させて、かつその中で有給休暇を自分のリフレッシュ手段として有効に活用してゆくようにすれば、「ブレ」(遅刻だの突然の休暇だの)が減ってゆくのは自明だ。

と、僕は確信しているのだが、先日なんかの打合せで、「有給きっちりとればいいんじゃないすか?」「なんで皆さんとらないんですかね?」って思わず発言してしまったんだよねー
(最底辺層に棲息するフリーの分際で、会社員のみなさまに対して出すぎた発言をしてしまいました)

 

それは確か、チームメンバーのモチベーション低下を阻止するにはどうしたらいいか? みたいな話し合いで。。
つまり、とあるメンバーのモチベーションが低下すると、てきめんに、遅刻が増えたり「体調不良」による休暇が増えたりするわけね。
そうすっと仕事に穴が空くので他のメンバーも困る。負担が増える。で、他のメンバーもドミノ倒し的にモチベーションが低下してゆく。。

リーダ、マネージメントレベルも、そういう事態に陥ると胃が痛くなってくる。。

なんでこうなってくるかって有給を取得する権利がないがしろにされてるからでしょ。(そんなことは僕に指摘されなくとも皆わかっている)
メンバーは「休みたくとも、休めない」と文句をいい、上司は「進捗に遅れが生じない程度に休むべし」という。
つまり、上司は部下の自己管理能力に暗に文句をいってる。

だからさ、上の人間は、下の人間がまとまって休みをとるっていうときに、ロコツにしかめっつらすんなよ、と。広いココロで「リフレッシュしてこい、楽しんでこいよ!」と送り出してやりゃいいのに。。
「休みをとりたいのですが」というと、きまって「それはかまわないけど。。仕事のほうは大丈夫か?」とチクっと刺す。

何か上申するたびにチクチク刺され続けると、部下は上司を自分の敵だと思う。アタリマエだよな、自分を刺しにくる相手なんだから。
やがて、敵(上司)に対してでなく第三者に対して、「ウチのチームは休みがとりずらい。。」とグチることになる。それは、自分の属する組織の上司を暗に批判している。

このような状況に陥るのを防ぐには、上の人間が率先して有給を取得すりゃいいわけだ。(これも、僕なんかにいわれなくとも「上の人間」は皆わかっている)

上の人間がガンガン休暇とってりゃ、部下は若干あきれるかもしれないけど、「ああ、ああいうふうに休暇とってもいいんだ」って、気が楽になる。部下の気を楽にさせるのも上司の仕事だよね。

上にアソび心、そして「余裕」がないと下の人間も息がつまる。上の人間は、たとえ仕事でテンパっていても、周りには自分が余裕しゃくしゃくであるかのようにふるまう演技力も必要なんだよね。

 
 

さて、僕がそういうことを申し上げたらそうとう反感を買ったらしく。。
「オレだって、有給きっちりとれるんならとってるわい」「自分の裁量で休めるんだったらオレだって計画的に仕事進められるぜ」「結局、風邪引いてぶったおれたときに有給をつかっちゃうから、そゆときのためにキープしときゃいいんちゃう?」
などなど。。 ハナシはネガティブな方向に盛り上がった。

こういうリアクションを聞いてるとね。。もう僕のような最底辺の、いつ路頭に迷うかわからない人材とは、立ち居地からして違うのです。

有給を「とれない」という事実、および「イソガシい自分」に酔ってしまっていて。。

きっちりメリハリをつけて休む、休むときは休む、働くときはきっちり働く、ということが、それは自分で切り開くものである、というアタリマエの事実を、知らないのだ。

「切り開く意志がなければ、切り開かれない。誰もそれを代わりにやってくれない」ということなんです。

切り開く意志と実践力があれば、時間はかかるかもしれないがやがては実現できる。経営層はそういう「主体的に切り開いてゆく」人材のほうが、従順な人材よりも、好きなのだ。そういう若手、中堅をかわいがりたいと思うものだ。

そして、以前(「昭和の時代」)よりもその傾向はいっそう、強まっているのです。良くも悪くも。。