元祖【ひとり公論】

誰かには必ず、ほんの少しだけでも役に立つに違いない、という意味での公論

(ただ)時間を守る

(ただ)時間を守る

こっちが優位な取引先だから、とか、その打ち合わせが金額的に重要か否かで個人が勝手に判断して、ショボい会議だったら「ちょっとぐらい遅れてもいいか」なんて考えるのが。。

そういう人間はゼッタイ成功しないですね。

紅白歌合戦の見すぎじゃないの? と。(真打ちは最後に登場、みたいな)
あるいは、いまだに巌流島の宮本武蔵を崇拝してるのか?

まァ、内部の打ち合わせだったら別に構わないんだけどね。。 醜態を外部に晒すことはないから。
でも、僕の知ってる範囲では、ちゃんとした会社は、内部の打ち合わせもぴしっとしてるけど。アタリマエだよね、ちゃんとした会社はちゃんとした人間が集まってるからちゃんとしてるわけで。

イマイチな会社は、特に管理職が会議の時間にルーズだ。いつも忙しい忙しいと言い訳しながら社内を歩き回っている。

 
 
確かに成金は(および、成り上がってきた企業の社員の多くは)堂々と遅れてくる。

でもね、真の真打ちは約束の5分以上前にそこにいるよ。
なぜなら、時間を守ることの大切さ、時間に遅れることで波及する影響(迷惑)を身体で知ってるからね。

逆にいえば、時間を守ることの大切さを知っている人間っていうのは、商談等で本来優位な立場にあるはずの人間が先に約束の場所にいる、ということで相手に相当なるプレッシャーを与えることができるのだ、ということを戦略的に知っている。

多くの方々は一度ぐらいそういう経験があるだろう。大事なプレゼン、大事な商談だからと気合いれて10分前に到着したら、相手の会社の要職はもうとっくに来ていて、わざわざ席から立って迎えてくれる、といったようなシチュエーション。。
こちらは「遅くなりました」ともいえず。。(遅刻はしてないわけだから)

そういう場合、相手の要職は「たまたま、時間が空いて早く着いただけなんですよ」と謙遜するが、そんなのはゼッタイウソで、戦略的に、事を優位に進めようとして早くきている。

つまり、商談というのは「時間」すらも最大限に利用してゆくものだということだ。

 
「先に行くとナメられるから」とあえて遅刻してゆくような考え方は、現代、近未来のビジネスではゼッタイに通用しない。

そこには、相手へのリスペクトがない。ビジネスマンっていうのは自分だって相手だって忙しいんだよ。だから、会議の日程を調整して決めたら、それは互いに遵守しなきゃならない。そして、互いにケツが決まってんだから段取りが悪くて長引くことは互いに避けなければならない。
ましてや、一方が遅刻したおかげですべてのスケジュールが後ろに倒れてゆく、などということは。。本来ゼッタイに避けなければならないことだ。

 
相手へのリスペクトを表明することにより、相手にナメられてしまうんじゃないか? という恐れを抱いている人間が多くてね。。
ケツがアオいというか器が小さいというか。。

でも確かに、商談とかでこっちがちょっと下手に出たら途端につけ上がる輩がいるけども。。そういう人間はもっと器が小さいんだよねえ。

器が小さい同士でカネの絡む事柄を決めていこうとしても決してうまくゆかない。

 
大事なのは、「相手を尊重する」のと下手に出るのとはまったく違うのだということだ。

別に、「相手を尊重する」ところも含めて戦略と考えても、構わない。
なぜなら、ビジネスというのは慈善事業ではないからだ。

 
なぜ、相手を尊重する必要があるか?
それは、相手に、自分(あるいは自分の会社)の利益になるよう動いてほしいからに他ならない。
ひとムカシ前ならば、アメとムチの「ムチ」のほうを前面に押し出して交渉を優位にもってゆくほうが戦略として有効だったのかもしれない。
でも今は違うのだ。

 
 
。。思い切り自分が書きたかったことと脱線してきたので、強制的に本題に戻します。。

ビジネスにおいて「成功」とは何か?ということ。

最近、あまりにチープな物言いになってしまっているので正直使いたくはないんだけど、成功とは、わかりやすくいえば「Win-Winの関係」をたくさんつくってゆくことだと思う。

 
現代におけるビジネスの成功とは、「安楽椅子にふんぞりかえって一歩も動かず『キミぃ、お茶をもってきたまえ』と指揮命令する」ような図ではない。

成功とは、「良好な関係を築いて、それを維持する」一連の活動そのものに他ならないのだ。

関係を維持するためには、それなりの地位を手に入れたとしても、ふんぞりかえることなくさらに汗をかかなければならない。
その一連の活動の中のひとつの指針として、「時間を守る」があるのだということを、この文では言いたかっただけなのだ。でもそれだけではなくて。。

良好な関係というのは、そもそも自分が人を魅きつける人物にならないと構築できないのです。
カネによる関係というのはそもそも「良好な関係」ではないし、メンテナンスフリーで維持することは不可能だ。つまり、「カネの切れ目は縁の切れ目」ということ。(ムカシのヒトはホント、うまいこというなあ)

今、アナタのもとへ揉み手ですりよってくるヒトたちは、あなたの人間性に魅かれて集まってきてるわけじゃない。
アナタからカネの匂いが消えたら(たとえば、アナタの属する会社の資金繰りが苦しくなってきたりしたら)あっという間に消えてゆく。
 
 
でも、強固でかつ良好な関係を最初に築いておけば、維持するのはラクになる。
ビジネスにおいて、カネが(ほとんど)絡まない良好な関係を築くというのは、ホント、ムズカしいのだが。。
結論としては、ただただ「時間を守る」だけで、その一助となり得る。
時間を守る人間は、約束を守ると思われる。それはつまり「信頼」である。

ビジネスにおいてもっとも大事なのは(カネの絡まない)「信頼」なんだよね。
カネが信頼を生むのではなくて信頼がカネを生むのだ。