元祖【ひとり公論】

誰かには必ず、ほんの少しだけでも役に立つに違いない、という意味での公論

引用

引用

道教の方に十多の説がある。

一、思多ければ神(こころ)怠る

二、念多ければ志散る。

三、欲多ければ智損ず。

四、事多ければ形疲る。

五、語多ければ気傷(やぶ)る。

(べらべらしゃべるのは気が散るものであることは誰もよく気がつく。)

六、笑多ければ臓損ず。

(これは一寸(ちょっと)意外に思う人が多いであろう。笑うことは気持が好いから内臓の為に良いと思えるが、此処(ここ)はくだらぬことにへたへた笑う意味であるから、締め括(くく)りがない。臓は含蓄力であるから、ひきしまらぬのは悪い。

七、愁多ければ心懾(おそ)る。

八、楽多ければ意溢(あふ)る。

九、喜多ければ志昏(くら)し。

十、怒多ければ百脈定まらず。

九など一寸誰も気がつかぬことで、なかなかきびしい。

玩味(がんみ)するとなかなか味がある。


    • -