元祖【ひとり公論】

誰かには必ず、ほんの少しだけでも役に立つに違いない、という意味での公論

古井由吉さん

よく書くことがあるな、とたずねられる。これにたいして、じつはとうに、書くことはないのだ、という答えがわたしの実感の内にはあるが、そう答えては、世間で働く人たちに無礼にあたりはしないか、と思案される。書くことがなくなったところから、ほんとうのところが始まるのだ、という説明ははたして通るものかどうか、と。

日や月や

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