元祖【ひとり公論】

誰かには必ず、ほんの少しだけでも役に立つに違いない、という意味での公論

懺悔の生活

懺悔の生活 新版

懺悔の生活 新版

労働の芸術化などというようなことを少しも考えないものが、かえって労働を芸術化していることがたくさんにあります。反対に芸術家が、生活そのも のを芸術化しておらないこともたくさんあります。
(とある芸術家を指し)こうした人には人間性のありのままが、自然というのであるらしい。そのままが美で、それが道徳を蹂躙しても差し支えないほ どの権威を感ずるのであるようです。(略)自分らのみ都合のよいことが、善であり美であったりしては全体が整いませぬ。(略)こうした新しい人た ちから、一燈園の生活が非芸術的であると言われてもしかたがない。思想や主義は、猫の眼のように変わる。一燈園の生活は、そんなまねをするわけに はゆかぬ。