元祖【ひとり公論】

誰かには必ず、ほんの少しだけでも役に立つに違いない、という意味での公論

夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです
(略)作家である僕にとって、潜在意識というのはとても重要なものになります。(略)僕にとって潜在意識は「テラ・インコグニスタ(未知の大地)」なのです。僕はそれを分析したくありません。だから意識的にユングとか、そういう分析家の書くものは読まないようにしているわけです。僕としては、そこからいちいち意味を読みとったりはしたくないのです。それをそのまま総体として受容したい。
(略)
小説を書き出して、毎日毎日休みなくこつこつとそれを書き続けます。するとそのうちに、暗黒のようなものが訪れてきます。そして僕にはその中に入っていく準備ができている。でもそういう段階に達するためには、時間が必要です。今日書き出して、明日にはもうその中にすっと入れるというものではありません。日々の厳しい労働に耐えて、集中力を高めなくてはならない。それは作家にとってもっとも大切な要素だと思います。