元祖【ひとり公論】

誰かには必ず、ほんの少しだけでも役に立つに違いない、という意味での公論

「身を落とす」

たとえば小室哲哉氏は、莫大な借金を抱えながらも西麻布の高級マンションに住み続けていたと聞きます。

10年前ぐらいに、山一(證券)が倒産したというハナシがニュースになっていましたが、その元社員が公務員試験かなにかにパスし、地方の自治体に転職を試みたが、蹴ったという話をおぼえています。
一説には給料が安すぎるからというハナシもありましたが、真相のところは、わかりません。今になって考えてみればそれは、必ずしも給料のハナシではなく、地方自治体の仕事のダイナミズム(のなさ)にうんざりしてしまったというほうが強いのではないでしょうか。

そういえば先般のリーマンブラザーズの騒動でも、似たようなハナシがちらほらと。

「プライドを傷つけられ、身を落とす」というハナシ。。
小室氏のハナシも、感情的には拒否反応を起こしそうになりますが、「たぶん、そうなんだろうなあ」という気がします。一度、輝かしい栄光を手に入れてしまうと、そこから身を落とすことができないという。

プロスポーツ選手も、引退のときによっぽど気分を入れ替えないと、ひきずってしまう。たとえばコーチングを徹底的に学んで、これから自分は裏方に徹する(しかない)のだという切り換えをしなければならない。

それができない人間は、引き続きスポットライトをもとめてタレントになったりしますが、「芸」がないのですから長続きはしません。
そこで、貪欲に、スポットライトを浴び続けるにはどうしたらよいのか? という観点で努力を始めるヒトは別です。それができるヒトは強いですし、僕はそういう「スポットライトを浴び続けるにはどうしたらよいのか?」というえげつない考え方は好きです。


僕自身は、相当な「最底辺」からここまで(家族をまっとうに育てられるぐらい)這い上がってきたので、そういう意味ではもう「身を落とし」たくはないですね。
スポットライトを浴びたことはないのですが、「もう二度と御免」といったような気持ちはあります。