元祖【ひとり公論】

誰かには必ず、ほんの少しだけでも役に立つに違いない、という意味での公論

外国人のほうがバランス感覚を持てている

再録

死ぬ瞬間を考えるとぞっとする、というのはあります。

それがイメージではなくて現実として自分に「きた」のは、全身麻酔の手術をしたとき。

麻酔だ、といわれて最初、背中かどこかに注射をして、その後、何かの気体を器具ですーっと吸ったときに(ドラマで、病院で手術するときによく出てくるアレ)最初、全然眠くならねーじゃん、と思いました。

でも、次の瞬間にはたぶんコテっと眠っていて、起きたのは10時間後ぐらい、手術後。

起きて自分を待っていたのは「激痛」でした。。

そのことを後から思い返すと、死ぬのはカンタンだな、と思います。麻酔でコテっといってしまって、その後、手術で失敗していたら、自分は永遠に甦ってこなかったわけです。

すべてを術者に委ねている状態。

実際、手術のときは、コトの重大さに全く気付いていませんでした。いや、気付いてはいたけれど、それを意識下に表面化させたらやってられんと思い、身体と精神が勝手にセーブしたのかもしれません。

あの経験は強烈だったと思う。

補足すると、その手術というのは決して、成功率が高いものではなかった。失敗すると即、死、というわけではないが(失敗とは、後遺症が残るとかそういう意味)術後にコテっと死んでしまう可能性もあったのです。

という話をあらためて、イトイ新聞の、藤田元司プロ野球監督の対談を読んで、思い出しました。

死ぬことを考えるとぞっとするけど、もういつでもいいや、という気分にはならない。まだまだ。

ふだん寝るときは、特に恐怖は感じません。100%、次の日も起きるだろうと思っている。

それは、確信があります。手術という、「死」というモノにぐっと近づいた状態とは全く違うからです。

「死」にぐっと近づくというのは、ヒトはわかるものなのです。

思い出しましたが、バスに乗っているとヘンな人に出くわすことがあります。確率的には電車よりも遭遇する率が高いような気がします。(バスにはそれほど頻繁には乗りませんので)

以前、最終ぐらいの夜の都バスで、乗客と私と男性2人連れだけだったのですが、その2人連れはインパクトが強かったです。40ぐらいのお洒落に縁のなさそうな男性と、同じ年齢ぐらいの白人の外国人だったのですが、日本人のほうがその、最近知り合ったとおぼしき外国人に、日本のネガティブな歴史、思想を「注入」していました。その内容は省略しますが、会話の内容から、日本人は完全にLeftな感じでしたが、外国人のほうはきわめてニュートラルで、バランス感覚を保持していました。日本人のほうが「日本はこんなに悪い国なんだ」というのを力説して、外国人が「いや、どこの国も同じようなもんじゃないか?」といさめるような感じです。

まず、なぜ日本人が、知り合ったばかり(らしき)の外国人に、日本の悪いところを力説する必要があるのか、理解に苦しみますし、この会話は聞き手、話し手が逆であるべきではないかと思いました。

外国人のほうがバランス感覚を持てている、という状況が悲しいですね。ただ、この遭遇した日本人は、目つきからしても相当特殊な人ではないかと思いました。

ひとつの思想に凝り固まった人は、どこにもいますね。。まず、思想を持つのは勝手ですが、それを流布する必要は全くないということですね。なぜその思想を広めてゆきたいのか、それによるメリットを明確にしてほしいものです。思想を広めてゆく理由は、本当に相手にためを思って、ということは120%ないので、背景になんらかの事情があることを感じなければなりません。